古処誠二著。新潮文庫。『少年たちの密室』改題。
何げなく、「あ、これ『UNKNOWN』書いた人じゃん」と購入したらこれが当たりでした。
「漂流教室」か、はたまた「ドラゴンヘッド」のような展開かしら。(最初だけね)
大地震に遭遇し、高校生グループと担任教師が地下駐車場に閉じ込められ、やがて皆に恨みを買っていた不良少年が死体で発見されるんですが。
「宇宙船が迎えに来るとか世界が核戦争でなくなっていた、とかいうオチだったら壁にぶつけてやる…」と危惧していましたが、いらん心配でした。(当たり前。新潮文庫。)
本格推理というより心理サスペンスですか。謎解きの要素はもちろんあります。
担任教師と、不良少年がこれまたにくったらし~~く描かれているんですよ。
うん、なかなか。大地震について考えさせられるものもあったし、良かったんじゃないかしら。容疑者がかなり限られているので、逆に推理するのが楽しい。
被害者が悪人の場合、動機に重点を置きすぎて犯人が許容されてしまう、というパターンかと思ったのですが……。
まあそれは読んでのお楽しみ。