すべてが猫になる

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空に浮かぶ子供/A Child Across the Sky (ねこ4.4匹)

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ジョナサン・キャロル著。創元推理文庫

元映画監督のウェーバーの友人、映画監督のフィルが新作完成間際にライフル自殺してしまった。
フィルはウェーバーに謎のビデオ・テープを3本用意していた。その中には、幼い頃飛行機事故で
死んだウェーバーの母親の死ぬ前の映像が映っていた!そして、後の2本には何も映っていない。
それは、「これから」映る、というのだった。。。


こ、こ、こここここっっっっっっっっわ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
こわ!!こわ!!!ひぃ!いやだ!たすけて!ごめんなさい!!

……と、いうわけで初のジョナサン・キャロル、堪能いたしました。

何と言うのでしょうか、あらすじだけ読むと普通の心霊ホラー?なのかと思いきや、
凄い展開!!なんだこの哲学的かつ幻想的なめくるめくラビリンスは!?
スティーブン・キングが「日常の身近な物に視点をあて発想を飛躍させる」ホラーならば、
ジョナサン・キャロルは「非現実的な設定で覆い隠す事によって日常のリアルを剥き出しにする」
タイプだろうか。どちらも素晴らしいが、本書の印象は風刺というより暴言、それを描いちゃ
おしまいだろう、という極限の恐怖である。ファンタジックでなければ洒落にならない。

本書で感じた事は、死んでなけりゃ自分は自分だという当たり前すぎる感覚に対する
テロのようなもの、だった。真に受けませんよ、こんなもの。こんな目には自分は
遭いませんよー!知りません知りません。怖い怖い怖い。


※ところで、本書はシリーズ第三弾らしい^^;。なにがどうシリーズなんだろう???