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灰の迷宮 (ねこ3.7匹)

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島田荘司著。光文社文庫

吉敷竹史シリーズその8。
新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客の一人がタクシーに撥ねられ死亡。被害者・佐々木
徳郎は、証券会社のエリート課長で、息子の大学受験の付き添いで鹿児島から上京中の出来事だった。
警視庁捜査一課の吉敷竹史は、佐々木の不可解な行動や放火犯として逮捕した男の意外な告白から、
急遽、鹿児島へ……。アッと驚く犯人像!(裏表紙引用)


エピローグがええのお~~~。。。。
吉敷さんはほんまハードボイルドな男じゃ。。もちろんこれだけの色男だもの物語で吉敷に惹かれる
女性は後を絶ちませんが、かくいう私もその一人。加賀刑事とどっちが男前かのぅ、などと
イタい妄想に浸る。しかし、前も書いたけど吉敷さんは通子さん命だったんじゃ……??
通子さんと出会う前の物語ではありませんよね?まるで通子さんが存在しないかのような
ここ数冊の番外編ぶりには首をかしげるばかり。。どなたか説明求む。。だって全ては
『涙 流れるままに』と『龍臥亭事件』を夢見てシリーズ追いかけてるんだもんね。

それはさておき、謎がいいですわ~。息子の受験道具しか入ってないカバンがなぜ
念入りとも言える執拗さで狙われたのか?「屋根が落ちたからもういい」とは一体??
吉敷さんが捜査を続ければ続けるほど、謎が一つずつ解けるほどそのまた謎が大きくなって
不可解さが増して行く。それを見事に解決しましたよ!吉敷さん!頼れる男!実際
「随分偶然が多いな^^;」と思わない事もないですが、ミステリーとして確かに
今まで関わり合った事のない犯罪、事件であった事に変わりはなく。憎悪や悪意、欲望から
発生しない人間同士の関わりと言いますか、ちょっと感慨深いです。
良作かもv
(しかし、『アッと驚く犯人像!』は果たしてどうだかな^^;;;)