すべてが猫になる

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黒手組 (ねこ1.8匹)

「私」の伯父の娘が、近頃世間で暗躍している誘拐団『黒手組』の魔の手にかかった。恐ろしい謎の
脅迫状ーー。切羽詰まった「私」は、友人である探偵の明智小五郎に相談を持ちかける。(短編)


この頃の作品あたりから、私の中で乱歩作品で大きく好き嫌いが分かれて来る。
特に本作は発表当時からファンをがっかりさせたとの事で、それを聞いて自分も当然だよなと
頷くしかない。
構成や物語の発端など、悪い点ばかりでもないのだが、トリック、真相共にかなり
不出来である上に、暗号が苦手という事も手伝って甚だ私には面白くない作品であった。
そりゃ怒るよこれじゃ^^;
うまみとしては明智小五郎の「ハハハハハハ」が聞けるぐらいか。


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光文社文庫 『江戸川乱歩全集』第1巻「屋根裏の散歩者」収録。
創元推理文庫 『乱歩傑作選』第11巻「算盤が恋を語る話」収録。
春陽文庫 『江戸川乱歩文庫』第4巻「D坂の殺人事件」収録。