日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。(裏表紙引用)
21.5.11再読書き直し。
S&Mシリーズ第10弾、とりあえずの完結編。
860ページの辞書本だが、ダレずに読み続けることが出来た。それはやはり、真賀田四季が全面的に登場していることによる。1作目の「すべF」が前編としたら、本書は後編と言ってもいいかも。1→10、だけ読んでもストーリーは繋がると思う。萌絵と犀川さんはもとより、国枝先生やラブちゃん、洋子さん、金子くんや浜中さん、儀同さんも登場しているのでシリーズキャラ勢ぞろいなのも最終作らしい。それぞれのいいとこ出てます。
事件もなかなかに壮大で、テーマパーク内の死体消失事件や教会、VR内での殺人事件が発生、萌絵が今回も調査に邁進。解決編もなかなかに大掛かりなのだが、本格ミステリとして読むと若干アンフェア。だけど森作品にしてはしっかりめの真相だと思う。何より、ラストの驚きが…おっとっと。最初は、この流れで一気にWシリーズ読んでも違和感ないな、と思ったのだがそれはまだまだ先の話らしい。