すべてが猫になる

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少年名探偵 虹北恭助の新冒険 (ねこ3.9匹)

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はやみねかおる著。講談社ノベルス


「虹北恭助の冒険」の続編です。じっくり見て下さい、タイトルに微妙な変化が!
さらなる続編の「新・新冒険」と同時発売されたものということで、相当薄いです。
前作が私のはやみねさんデビューで、なかなかの好感触でした。が。
前作で期待していた要素と、さらなる別の魅力にころっとやられてしまいましたよ。

いやあ、おかしいおかしい。
虹北商店街PR企画の「メヌエット賞」『すべてがトウフになる』!!!!ひーー。
「わけのわからない受賞作も出て、『迷走するメヌエット賞』と言われた~」……ひーっ。
さらには「祖父」のふりがながちゃんと「ジッチャン」になってるのも嬉しい。
そしてシリーズのマドンナである響子ちゃんが古本屋で「虚無への供物」を手に取り……
「棚に戻した」のも気に入った!!!!わははは!!!(みなさん怒らないでね^^;)
(しかもバラしすぎですね、すいません^^;)

まあそういうお遊びに凄く作者の愛が感じられる所も良いのですが、
おバカな大人(少年の心を失っていない、と解釈するにはあまりにもおバカな)と
ちょっと賢い子供が共存しているというスタイルも好印象です。
アメリカンコミックみたいな「漫画」が挿入されているのも楽しめますし。

分冊ということで、2作品しか収録されていません。しかも、1編は番外編。
恭助君が「冒険」という冠をタイトルにつけるほどに活躍の場がなかったのが
ちょっと残念かな。恭助君と響子ちゃんの「これから」がなくても、単品で
十分楽しめるシリーズだな、とは思えたけれど。。今後触れないわけにはいかないでしょうけど。
ただ、やっぱり「未来」や「答え」はまだこの年代では知りたくないし
知って欲しくないという気持ちもあるのですよね。物語ならなおさら、
軽く楽しめる作品だって必要だし作家さんそれぞれの役割がある気もするのです。