講談社文庫。
顔に白頭巾をかぶってひたすらワープロを打ち続ける男。行方不明だった推理作家・西田操は
７年ぶりに帰還して、長編「覆面作家」の執筆にとりかかった。それが、憎悪と殺意の渦巻く
事件の発端だった。劇中の小説と現実が激しく交錯する傑作ホラー。（裏表紙ほとんど引用）
再読。
※手法に触れますので、未読の方ご注意を。。（犯人および具体的なネタには触れませんが）
これ、好きだったなあ。とちょっと感慨にふける。。
折原さんに一番ハマっていた時期のかなり初期に読んだのがこれで、もちろん内容は
銀河の彼方。（えばるな）しかし、銀河とは言え、オチと設定は強烈に記憶に残っていました。
どこでも言ってますが私は作家が主人公のホラーが大好きなのでそれも一因ですが。
手法はいつものごとく。
だんだん、読むにつれわからなくなってくるのもいつものごとく。手法がわかっている時点で
衝撃の真相！！は期待できないんですけど、やはり最後のどったんばったんは楽しい。
今作は、ネタが割れれば単純と見せかけて油断できない真相が！
登場人物がこんなに少ないのによくこれだけ色々違ったパターンを出せるなあ、と
感心するわけですよ。
そして、何が好きかって、このオチ。今となっては斬新とは言えないけれど、
折原氏の、そう見せかけて理論だけで構成しない、遊び心が好き。
どこが本当の終わりなのか、あとがきの最後の最後、果ては奥付けまで読まないと
安心できない危うさ。そこが私が折原氏を愛してやまない理由なのです。
まあ、連続して読むとさすがに飽きますが＾＾；
