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びっくり館の殺人 (ねこ4.2匹)

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綾辻行人著。講談社ミステリーランド

20.1.18再読書き直し。

 

正式な館シリーズの第8作目。

 

兵庫県のとあるお屋敷町に、「びっくり館」と呼ばれる怪しい洋館があった。館には老人と少年トシオが暮らしていて、館内には数々の驚く仕掛けがあるというのだ。トシオと同い年の未知也はある日トシオと出会い、家に招かれる仲になるが、ある日のこと腹話術人形リリカの部屋で老人が密室の中殺されているのを発見し…。

 

ミステリー要素もあり、恐怖小説でもあり。子どものころの自分が読んだら大喜びしただろうな、というぐらい怪しくコワイ館もの。もちろん正規?の館シリーズと比べて異色であるが、鹿谷門実や中村青司が要所に登場するあたりしっかりシリーズの系譜を継いでいる。

 

少し精神のおかしい老人や下手くそな腹話術ショウ、トシオの姉リリカの死の謎などこれでもかと怪しい展開に胸躍る。殺人の真相など意外性がありそこはやはり推理小説なのだなと感じるが、この要素がなくても成立したかなあとも思ったり。それは本当にそうだったのか、想像の余地を残したあたり「囁きシリーズ」に近いものも感じる。個人的にはかなり好きな作品だが、子どもにはどうかというとそれぞれ考え方の違いが起きそう。