久住四季著。メディアワークス電撃文庫。
城翠大学魔学部に入学した天乃原周(あまのはら・あまね)は、
入学早々魔学結社「オズ」の魔術師、佐杏冴奈(さきょう・しいな)と出会う。
彼女は城翠大学の客員教授だった。
やがて、学内にアレイスター・クロウリー(大魔術師)からの挑戦状ともいうべき
放送が唐突に流れた。「この学園から生け贄を選定し処刑する。その被害者と、
加害者が誰であるかを当てろ」ーーーー。
ゲームと称するこの恐るべき内容が事実となった時、学園は混乱の渦に
巻き込まれる。美しき女魔術師と周たち学生6人は、真相を解く事が出来るのかーーー。
こんなものも読んでみたりするんです。
こう見えてもちゃんとミステリでございます。こんな表紙ですが、別に
巨乳ちゃんとかエロシーンが出て来たりは全くしませんのであしからず。(てゆうか何を言わせる)
第十一回電撃大賞の選考漏れをした作品だそうで。
ミステリとしてなってんだかなってないんだかわかりませんが、
面白けりゃ私は褒めるんです。
右も左もわからない、小説とは何ぞや、という人が熱意と勢いだけで
本格推理を書いてみたらなかなか、てな作品かな。
トリックははっきり言って斬新でも何でもなく、どっかで見たような最近のトリックを
寄せ集めたような感触。つまり、ミステリになってるじゃん!という面白さ、と言えば
しっくりくるかしらねぇ。。
ただ、中盤のだらだら感から一転、終盤でたたみかけてくるので
何かしらの魅力、作者の力はたしかに存在しておりました。
残念だったのは、たくさん出て来るキャラクター達が全員似たり寄ったりで、
描き分けが全く出来ていなかった事。ここが選考漏れした要素だとしたら
すぐ修正出来る作家だと思う。主人公や、佐杏さんなどのキャラはちゃんと出来てたし。
今後、脇役のキャラ設定も意識するかしないか、それだけっぽい。
ライトノベルも読めるよ、という方なら一度シャレで手を出してみて下さい。
得した気になるかも。