すべてが猫になる

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三匹の子豚  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。講談社文庫。

「あたしの波瀾万丈な人生は、絶対“朝ドラ”向きだと思うのよ」 母の口癖が私の人生を狂わせた。 朝ドラ『三匹の子豚』が大ヒット。 脚本家として再び注目される斉川亜樹に一通の封書が届く。 叔母だという人物の扶養義務に関する書面だった。 聞いたこともない叔母の出現を境に絶頂だった亜樹の人生が翳っていく。(裏表紙引用)
 
真梨さんの文庫新刊。
相変わらずのイヤミスっぷりと人物相関図があってもなお混乱する複雑さ。正直完全に理解したかどうか自信がない。
 
プロローグで綴られる蛇岩鶴子による「毒油事件」(しかしなんちゅう名前かね)。これが現在の三姉妹、一美、二葉、三代子の人生をそれぞれ紐解きながら「実はあの毒油の真相は~~~!」の結末へ繋がってゆく。女のいやらしさを描いたら右に出る者はいない真梨さんは今作でも絶好調。特にそれぞれ出てくる母親たちの毒親っぷりときたら。。その反面、男たちが希に見るおばかに描かれていてそのイライラも募る。一見無関係そうな登場人物も、実はあそこで繋がっていたり意外な出自が判明したり。頭が混乱し煙が出そうになってきたところで毎度おなじみのサプライズ。ややこしいが、収拾はついたのでなかなかいい出来だったのではないかな~。