すべてが猫になる

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カッティング・エッジ/The Cutting Edge  (ねこ4匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。

ニューヨークのダイヤモンド地区にある宝石商で、経営者と客の男女3人が惨殺された。報せをうけたリンカーン・ライムは、妻で刑事のアメリア・サックスらと捜査に乗り出す。しかし、現場の状況には不可解な点が多く、防犯カメラのデータも持ち去られていた。匿名の通報者の行方もわからない。焦りが募る中、次なる犠牲者が!(上巻裏表紙引用)
 
リンカーン・ライムシリーズ第14弾。
<原点回帰>ということで、いつものライムチームがライムの自宅に全員集合である。うううれしい(それだけの意味ではないと思うけれど)。分散する分、ライムの出番が減ってしまったような。いつもの、何ページにも及ぶボードに書く未詳のデータが今回一切なかったのが不満。あれ好きだったんだけどな。ページ速くめくれるし(笑)。
 
今回の犯人<プロミサー>はとても狡猾な人間で、防犯カメラにも現場にもほとんど証拠を残していない。その割に動機が幼稚というか異常レベルの上を行かないというか、目撃者2人を狙うっていうのもなんだか普通っぽいなといいう印象。魔術師とかウォッチメーカーみたいな得体の知れなさというかカリスマ性を感じなかった。地震をアレする、っていうのは恐ろしかったが…そんなこと可能なの?こわや。。プロミサーに狙われっぱなしのカッター青年、ヴィマルが犯人を甘く見すぎというか(あのうっとい父親もそうだけど)、なかなか警察の保護下にいてくれないのももどかしい。爆発やらプロミサーの犯行やらで、罪のない一般人が次々死んでいくのも読んでいて辛いしね。。
 
まあしかし<普通>と思っていたらラストにとんでもない事実が判明したりして、ちょっと今までにはない手法だったので痺れた。ここで終わられても困るんだけど、、(次作はこの続きから始まらないらしい)でもそろそろラストスパートにかかっているのかな~。。