すべてが猫になる

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キュレーターの殺人/The Curator  (ねこ4.5匹)

M・W・クレイヴン著。東野さやか訳。ハヤカワ文庫。

クリスマスの英国カンブリア州で、切断された人間の指が次々発見された。プレゼントのマグカップのなか、ミサが行われた教会、そして精肉店の店内で――。現場には「#BSC6」という謎めいた文字列が。三人の犠牲者の身元を明らかにしようと国家犯罪対策庁のワシントン・ポー刑事とステファニー・フリン警部、、ティリー・ブラッドショー分析官らが捜査に乗り出す。だが彼らはまだ知らない。この連続殺人の背後に想像を超える巨悪「キュレーター」が潜んでいることを……。ポーやティリー、フリンたちが相対する敵の正体とは!? 驚愕必至のシリーズ第三作。(裏表紙引用)
 
ストーンサークルの殺人」「ブラックサマーの殺人」に続く、刑事ワシントン・ポーシリーズ第3弾。
 
うおお面白かった!600ページ超えの大長編なんだけど、読み終わるのが辛いくらい没頭してしまったよ。3作目にしてすっかりひねくれ者ポーと変人ティリーのコンビに夢中。なんだろう、ティリーが認めた人間はみんないいやつに見えてしまう。
 
今回の事件はクリスマスに起きる。3つの全く無関係と思われる場所に切断された2本の指が送りつけられたのだ。しかもその内の1本はそれぞれ、生前に切断されたものと断定された。やがて被害者の身元が次々判明するも、彼らに繋がりはなく指の切断方法も違っていた。なぜ女性2人の被害者にだけ麻酔が使われたのか、謎のハッシュタグの意味とは――?
 
「先が読めたと思うなら、あなたは注意が足りていない」の煽り文句そのまま、「あ、わかったぞ、キュレーターはあいつだ!」と思ったら外され、「なるほど、そういうことか!」と思ったら外され、さらにその先には思ってもいなかった過酷な真相が…。
巧みな推理で読ませるシーンがあったと思ったら、ポーとティリーがなんか泳いだらだいたい死ぬみたいなすごい海を渡っていく手に汗握るシーンもあるし、ポーがキュレーターと生死を分けた闘いを繰り広げるシーンはまるで映像を観ているみたいに「うわわわ!」と思うし、なによりあの人がまさかあんな酷い目に遭うとは誰が想像できただろうか。。最悪の事態は逃れたけれど、身体が回復すればいいってものでもなく、これから死ぬまで尾を引く出来事なんじゃないか。。うう、好きなキャラだったので今後たくましく立ち直っていく姿は絶対に読ませてほしい。
 
いやあとにかく面白かった、これが1番かも。ポーがしぶとく居座ってる(?)自宅は今後どうなってしまうのかな。次が楽しみ。