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九孔の罠 死相学探偵7  (ねこ3.6匹)

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三津田信三著。角川ホラー文庫

超能力者を極秘で養成するダークマター研究所。そこでは、経費削減のため、成長が見込めない「年長組」の一部リストラが囁かれていた。そんな中、「年長組」の1人・沙紅螺が帰宅中、背後に現れた不気味な黒い影に追われる事件が発生。依頼を受けた俊一郎は、黒術師に唆された研究所関係者の仕業と考え、黒捜課の曲矢刑事らと警戒態勢を敷く。だが、なぜか新恒警部の姿が見えず、俊一郎は不安になる。待望のシリーズ第7弾!(裏表紙引用)
 
死相学探偵シリーズ第7弾。
 
ん~、まあまあかな…。。
 
俊一郎の事務所を訪ねてきた少女・沙紅螺には不思議な能力があった。沙紅螺が所属する超能力者養成所でリストラ問題が勃発し、沙紅螺自身も謎の黒い影に襲われたと言うのだ。黒術師との関係を危惧した俊一郎は早速研究所へ趣き、曲矢刑事と共に調査に乗り出すが…。
 
超能力者たちがそれぞれ別の能力を持っているので、それが九孔の罠による殺人トリックを暴くための一助となっているのが面白い。彼らの個性も様々で、状況証拠と共に人間関係や彼らの性質が大きなヒントとなるのも読みどころ。まあこれが普通以下の犯人でガッカリはしたが、この事件捜査そのものに大きな仕掛けがあったのでそちらがメインだろう。俊一郎と共に、こちらもすっかり騙された。ドン臭すぎると思ってたんだ…。そして愛染婆さんナイス……。
 
黒術師の正体は次巻として、さんざん引っ張ってきた黒衣の女の正体が強引というかまさかというか。。これ、最初から決まってたのかなあ?と疑いつつ、前回登場したキャラもお目見えしたりして、いよいよシリーズをまとめにかかっているな、という印象。