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パンドラの鳥籠 (ねこ3.7匹)

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高田崇史著。新潮文庫

丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、首なし死体も発見されている。編集者・西田真規は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の毒草師・御名形史紋、その助手の神凪百合と共に謎を追う。浦島太郎の「玉手箱」とギリシャ神話「パンドラの箱」がリンクする時、謎に繋がる一筋の道が現れる。知的スリルに満ちた歴史民俗ミステリ。(裏表紙引用)
 
QEDシリーズのスピンオフ、毒草師シリーズの第3弾。
出版社コロコロ変えるのやめてくれ。。
 
QEDが文庫追いついてしまったのでコチラを追うことに。しかし御名形さん、本編だと凄くミステリアスで良かったけど主人公になってもミステリアスなままだったな。。喰えないというか。クールだしクレバーだし好みなんだけど、これを読むとやはりタタルのほうが人間臭い気がする。知識量や喋る量はタタルのほうが上だけど、タタルは親しい人からの質問を無視したりしないもんね。あと西田くん、美女に弱いし無駄に正義感だけはあるしで掴みどころがないかなー。価値観が昭和だよね。
 
事件のほうは、魔女の毒草の話からいきなり浦島太郎の話に飛んでしまって面白かった。恩人のはずの浦島になぜ乙姫はあんな箱を渡したのか、っていうのは自分も謎だったので。なぜ300歳になっても死ななかったのかとか、言われてみれば。。な疑問が多い。殺人事件はいつも以上に付け足し感が強くてアレだし世界観もちょっと苦笑ものだったがまあ全体的にQEDが好きなら楽しめるかと。