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ソフトタッチ・オペレーション  (ねこ3.6匹)

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西澤保彦著。講談社文庫。

拉致女性が密閉空間にテレポートしてくる奇怪な監禁事件、男の手料理が招く連続怪死、辻褄があわないことだらけの豪邸内の殺人事件ほか5つの不思議な超常事件を、おなじみ神麻嗣子、神奈響子、保科匡緒が、異常な動機の犯罪を論理で解き明かす。華麗な「論理の神業」が続出の“チョーモンイン”シリーズ。(裏表紙引用)
 
ずっと積んでたチョーモンインシリーズ最終作(現時点)。久々すぎて設定忘れ気味だったな。。5編収録の短編集。
 
「無為侵入」
サイキックに侵入されていた3人の無関係な女性たち。しかし全員、部屋に侵入されたことに気づいていなかった。しかも侵入後、彼女たちは全員引っ越していて…。
あっさり電話で逮捕を知るのはメインがミッシングリンクだからか。ちょっと保科さんの推理が外れるところもお約束なんだっけ。
 
「闇からの声」
高校事務員の女性が死んだ母親の幽霊を見る。変わってしまった父親、血だらけの母親の謎とは。おかしな母親だなあ。毒親ってやつ。娘も大概だが。最後に反転するのがいいね。神麻さん少ししか出ない。
 
「捕食」
大学生時代の保科さんが、スキーで遭難した話。助けてもらった家の主人から聞いた不気味な秘密は…。神麻さん必要ないような…。怪談みたいで面白かったけど、実際真相を知ると動機がきもい。連続して同じようなネタな気も。
 
「変奏曲<白い密室>」
結婚式の余興のため、豪邸に住む友人の家の防音室で練習することになった大学生たち。しかし訪ねると本人は不在で、しかも地下にある防音室で首を絞められ殺されていた…。結構ちゃんとした論理的ミステリ。神余響子って覚えてないな。。一人称が「オレ」で、深みのある品格が漂うらしい。超能力が役立ったパターンだけど、動機も知りたかった。
 
「ソフトタッチ・オペレーション」
200ページ強の中編。大学生の浩美は、馴染みの店で酔いつぶれた翌朝知らない部屋で目覚めた。しかも二人の女性がベッドで寝ていて…。監禁もの。結構面白い話なんだけど、主人公の脚フェチの要素がジャマすぎて内容がなかなか入って来ない。百合要素もあるし。。ほぼ犯罪者だからなこれ。まあしかしそういうイラっとくる要素やロリ、フェチ部分も結構話に絡んでいたので評価。
 
以上。
メインキャラがほとんど出てこないので、番外編に近いのではないかな。もっと浸りたかったのだけど。しかしまあミステリ的には悪くないし話もどれも楽しめる。唯一、フェチの部分(しつこいが)がどうにも受け付けなくてちょっと評価下げた、すいません。