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私が失敗した理由は  (ねこ3.8匹)

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真梨幸子著。講談社文庫。 

たった一度の人生、失敗したくない。そう願ってきたのに「成功」できていない落合美緒。ある夜、コンビニで勤務先の同僚とばったり出会うが、翌々日出勤するとその同僚は、隣人一家四人を殺害したという容疑で連行されていた。他人の「失敗」を前に、美緒の心はときめくが―。イヤミス女王の放つ傑作。(裏表紙引用)
 
真梨さんの文庫新刊。タイトルがそそられるので楽しみにしていた作品。「読後の幸福感は一切、保証されません」という帯の惹句がコワイ。
 
いやあ、相変わらずのレディースコミックぶり。死産を経験し、スーパーでパートをしている主婦の美緒(躁うつ病)の登場から始まる。興味のない本をやたらと勧めてくる同僚、仕事を勝手にやめた夫、美緒の元カレの編集者謙也は美緒に振り回されて…。同じくパート従業員の市原が騒音問題で隣人一家を殺害する事件を起こしたことから、美緒は謙也を巻き込んで「私が失敗した理由は」という本を出版しベストセラーにしたいと奔走する。
 
まあとにかく登場人物にイライラ。美緒がとにかく我儘すぎて…。辛い経験を経ているから仕方ないところもあるけど、元カレや夫を振り回しすぎ。見栄のために白金だ港区だタワマンだと大騒ぎ。他人の失敗にはとにかく「ときめく」性格で、こんな女性をそれでも魅力的だと離れようとしない謙也に倍イライラ。女性の登場人物は特に過去にキラキラしていた経験があるためか、その顕示欲が凄い。私は過去に社長秘書で~とか、あの人の息子は慶応で~、とか心の底からどうでもええわ。
 
そんなこんなでイライラしていたら、いつも通りの「実はあの人はこの人でした」「あれをやったのは実はこの人でした」「この人とこの人は実はこうでした」のオンパレードで頭こんがらがりまくり。さらに今回は、作者の真梨さんまで登場しちゃった。次作「孤虫症」をめちゃくちゃにこき下ろしてるのがオモロイ。やたらと真梨さんの名前出てくるなと思っていたら、ああ、そういうこと。。これからは本の酷評しないほうがいいな。。いや、やってないけど。。。