すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ガイコツは眠らず捜査する/The Skeleton Takes a Bow  (ねこ3.8匹)

f:id:yukiaya1031jp:20190826201628j:plain

レイ・ペリー著。木下淳子訳。創元推理文庫

大学講師の母と高校生の娘、動いて喋る骸骨シドの三名が暮らすサッカリー家。娘マディソンが所属する演劇部の舞台に、シドも(頭蓋骨だけ)出演することになった。ところがある日、彼女はうっかりシドの頭を学校に忘れてしまう。翌日、回収されたシドは意外なことを言いだした。夜に講堂で殺人事件が起きたというのだ。母ジョージアはシドのため事件を調べることに……。母娘と骸骨の絆、デコボコ捜査が楽しい、痛快ミステリ第2弾。(裏表紙引用)
 
一作目ですっかり気に入ってしまった骨ミス第2弾。
 
前作の流れから、今回は娘のマディソンがシドの存在を知っているし、シドをいないものとして否定していたデボラがしぶしぶシドを受け入れている状態へシフト。ジョージアとシドだけの関係、というのが実は結構好きだったのでどうなるかな~と思ったけど、思わぬ三角関係になってしまって新しい展開。これはこれで楽しいかな。デボラはもうちょっと優しくしてくれてもいいのになあ~。
 
事件のほうもまた本格的で、シドが講堂で知ってしまった殺人事件をいかに事件化するかが読みどころ。頭蓋骨だけのシドしか目撃(耳擊?)していないので、通報するにもどう言えばいいかわからない。ジョージアも結構どんくさいというか、先走るところがあるので色々失敗しつつ。女性と女の子と、あとはホネだもんね。ピンチになったらもう頭脳で助かるしかない。大学や受験に関わる事情や裏の犯罪が明らかになるにつれて、ジョージアの世界も色々大変だな~と。ただでさえ保護者や先生たちとの関係が複雑なのに、帰ったら子育てとホネの世話。。そしてシドが社会にどんだけ参加したいかが伝わってきて胸がきゅっとなるシーンも。だからラストは希望が持てるな。続編絶対邦訳して欲しい。