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伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~  (ねこ3.8匹)

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周木律著。講談社文庫。

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。(裏表紙引用)
 
シリーズ第4弾~。
 
林田呂人と名乗る人物から伽藍堂で開催される数学講演会への招待状を受けた百合子。兄の司も無理矢理同行し、辿り着いたのはBT教団が所有する施設・伽藍堂。新聞記者や数学者、善知鳥神、十和田が一堂に会し講演が開催されるも、やがて2人の博士が”伽堂”内のせり舞台でマイクスタンドに串刺しにされた「はやにえ」の状態で発見された。
 
もうここまで来るとむちゃくちゃだな^^;このシリーズが「回転」にこだわっているのは周知のことなので、さぞや大掛かりなトリックが待ち受けているんだろうと思ったらまたしても想像の上を行った。いやいやいや、もうここまで来ると壮大というよりショーの領域ですわ。いちいち図面で説明してくれるので分かりやすい。リーマン予想とかバナッハ-タルスキのパラドクスとか理解しているとは言い難いが、基本的には読みやすいのでまあ許容範囲。まあトリックも凄かったが、犯人の正体。。。これは一体どう収拾付けるつもりだろうか。なんかもう待てないんですけど。
 
この作品がシリーズのキーになるのか転換点なのか。宮司兄弟にも色々秘密があるようだし、ミステリ、ストーリー共にちょうどいい案配になってきたなあ。善知鳥神なくても成立するような。。