すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ニャン氏の童心  (ねこ3.8匹)

f:id:yukiaya1031jp:20190609144200j:plain

松尾由美著。創元推理文庫

仕事に悩む女性編集者の田宮宴はある日、袋小路で人が忽然と消えるという事件に遭遇。謎の実業家にして童話作家のミーミ・ニャン吉先生の事務所で、秘書の丸山にその不思議な出来事について話すと、そばにいた猫が何かを伝えようとするかのようにニャーニャーと鳴いている…。ニャン吉先生ことニャン氏の正体とは?!愛すべき猫探偵・ニャン氏の事件簿パート2、出来だニャ。(裏表紙引用)
 
ニャン氏シリーズ第2弾。帯がニャンニャンうるさい…(笑)。第1弾とは主人公を変えて登場。児童書担当の女性編集者がヒロインということで、作家でもあるニャン氏にはぴったり。
 
「袋小路の猫探偵」
引ったくりを追いかけていたはずの警察官が宴の目の前の袋小路で消えた。しかし警察は、その犯人は捕まえたと言う――。テニスボールの真相に納得。先入観とは恐ろしいな。ボール遊びを我慢するニャン氏。。
 
「偽りのアプローチ」
アメリカの飛行機のシミュレーターに代理で乗ることになった宴。そこで聞いたフライト中の社長の義理の両親の死の謎をメイド探偵来栖さんが解く。唯一の来栖さんもの。金持ちめんどくさいことするな。しかし○が殺したとすればどうやって容疑を逃れたのか。
 
「幸運の星の下に」
亡くなった作家の残した貴重な蔵書の整理に出向いた宴一行。作家らしいおちゃめな企みがいいな。悪いことは出来ないってことで。それより丸山氏おもっきしニャン氏の正体バラしてるし。
 
「金栗庵の悲劇」
お茶会、三姉妹と来て高級和菓子消失事件が発生。これ元ネタ獄門島?ややこしいと見せかけて実は単純な真相。目の付け所が違う。
 
「猫探偵と土手の桜」
華族の主人の祖父が残した手記の謎。親子ゲンカの仲裁のためにそこまでやる執事けなげ。猫の演技力(笑)。
 
「ニャン氏のクリスマス」
ニャン氏の新作が入ったカバンを二人もの男に狙われた宴。ニャン氏のやろうとしている凄いことってなんだろう。プレゼントにほっこり。
 
以上。どれも短くてサクっと読める。推理がどれも猫目線から来てるのがいいな。設定としては主人公がツッコミまくる前回のほうが好きだけど、ミステリ的にもお話的にも上なのはコッチかなあ。このシリーズは毎回ニャン氏が主人公を事業に誘う→断られる、のパターンなのでこれならいくらでも主人公を変えて続けられるなと。主人公に情が芽生えないのはアレだけど、まあ主人公は丸山氏みたいなもん?次回はなんだろうなー「狼狽」?「回想」?