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裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル  (ねこ3.8匹)

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宮澤伊織著。ハヤカワ文庫JA。

 

仁科鳥子と出逢ったのは“裏側”で“あれ”を目にして死にかけていたときだった―その日を境にくたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など、実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を捜すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる―気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!(裏表紙引用)
 
おっ、おもしろかった。。
 
表紙やタイトルだけでイメージしていたのは冒険チックなファンタジー。でも実際は、ホラー>ファンタジー>アクション>百合。多方面で活躍している作家さんのようで、その実力は確か。2人の女子大生がふとしたことから「裏世界」へ紛れ込んではリアル怪談を体験するという設定で、出会う怪物たちが毎回毎回ふるっている。眼球内をうろつく「くねくね」、コンパス人間「八尺様」、首なしのラバ、時空を操るおっさん――。元は実話怪談、ネットロアをモチーフにしているらしいが、読んでいてその造形がどうしても頭に浮かんでしまうし、モノによっては顔や手から何か生えてきそうな気がするぐらい描写が気持ち悪くてすごい。。(褒めてます)
 
1つ1つの怪物をヒロインの空魚と鳥子が協力して倒していくと同時に、元は知らない同士だった、性格も見た目も正反対の2人の仲が深まっていくという友情ドラマのおまけつき。2人の協力者である小桜は特に人気あるんじゃないかな。可愛い挿絵の効果もあるけど、見た目が幼くて口が悪くて頭脳明晰って萌えの見本のような感じだから。シリーズ化しているようなので次も読もう。