すべてが猫になる

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最後から二番めの真実 (ねこ4匹)

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氷川透著。講談社ノベルス


氷川透シリーズ?(勝手に命名)第二弾。


お嬢様女子大の教員、住吉の呼び出しを受けた氷川は、学内で連続殺人に
遭遇する。
ゼミ室から消えた学生。その代わりに出現した警備員の死体。そして、その学生が
屋上から逆さ吊りで発見される。
建物内は録画されており、すべてのドアは開閉記録にて見張られている。この
不可能犯罪を氷川は看破できるか!?


あ~あ、氷川氏のファンになってしまった。。。。(作家の方の、です)
デビュー作、「真っ暗な夜明け」で「カタい文章の作家だなあ」という印象を持ちましたが、
それはデビュー作ゆえに筆に慣れていないのだろう、と勝手に暖かい目で見ておりました。
が。
ちがった。本書でカタさに拍車がかかっておりました。
これでもか、という程説明や心理描写がくどい。「それ、さっきも書いてなかったっけ?」
というぐらい表現を変え角度を変え説明してくるこのくどさには閉口いたします。
そして時おり挟まれるユーモアのある寒い文章。このギャップの応酬、かなりツボです。。

トリックに関しては、まあまあ、かしらん。
学生を吊るした動機のくだりではかぶりつきましたが、他のトリック、殺人の動機、
もろもろはまあ平均点くらい。「これこれこうだから、犯人はあの人しかありえない」
いわゆる、消去法に重きを置いてるのでしょうか。
悪くはないんですが、これだと動機がどうしても後づけっぽくなるのでどうも。。。
このへんは、森博嗣氏っぽいですかね。


前作でも書いたのでしつこいですが、探偵役の名前が著者と同一なのでどうしても
氷川氏に惹かれにくいです。。。それは言い訳かもしれないんですけど。。

世にはたくさんの有名な探偵のキメゼリフが存在するわけで。
ジッチャンの名にかけて!!」インパクト大。
「この世には不思議なことなど何一つないのだよ」し、しぶい!
「人は名探偵と呼びますがね」し、しびれる!(有名じゃないが)
「フフフ、わかるかな、明智くん」(探偵じゃないだろ)

で、氷川氏は。

「僕の冗談はわかりにくいって、よく言われるんです」

……………………………………。
これじゃあなあ。。。