すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Ank : a mirroring ape  (ねこ3.8匹)

佐藤究著。講談社文庫。 二〇二六年、京都で大暴動が起きる。京都暴動―人種国籍を超えて目の前の他人を襲う悪夢。原因はウイルス、化学物質、テロでもなく、一頭のチンパンジーだった。未知の災厄に立ち向かう霊長類研究者・鈴木望が見た真実とは…。吉川英治…

自転しながら公転する  (ねこ4.5匹)

山本文緒著。新潮文庫。 母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具…

刑罰/Strafe  (ねこ4.2匹)

フェルディナント・フォン・シーラッハ著。酒寄進一訳。創元推理文庫。 孤独感は残り続ける。たとえ罰を免れようとも。 『犯罪』で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた 当代随一の短篇の名手が紡ぐ12の物語。 黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をく…

任侠シネマ  (ねこ3.8匹)

今野敏著。中央公論新社。 「永神のオジキは、映画館の話でいらしたんですか?」興味津々の若い衆に、阿岐本組代貸の日村は心の中で溜め息をつく。困った人をほっとけず、さらには文化事業が大好きなヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとには、一風変わった経営再…

爆弾  (ねこ3.8匹)

呉勝浩著。講談社。 些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。 たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。 直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっ…

サーモン・キャッチャー the Novel  (ねこ3.7匹)

道尾秀介著。光文社文庫。 神様の通う屋内釣り堀カープ・キャッチャーの景品棚には、高得点でもらえる伝説の白い箱があった。 箱の中身を知りたいバイトの明、箱を狙う父親、店主を脅す女性、幽霊を撮影する兄妹、謎のヒツギム人らが釣り堀に集う時、運命は…

ウィンダム図書館の奇妙な事件/The Wyndham Case  (ねこ3.6匹)

ジル・ペイトン・ウォルシュ著。猪俣美江子訳。創元推理文庫。 1992年2月の朝。ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師(カレツジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、学寮長が駆け込んできた。おかしな規約で知られる〈…

三匹の子豚  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。講談社文庫。 「あたしの波瀾万丈な人生は、絶対“朝ドラ”向きだと思うのよ」 母の口癖が私の人生を狂わせた。 朝ドラ『三匹の子豚』が大ヒット。 脚本家として再び注目される斉川亜樹に一通の封書が届く。 叔母だという人物の扶養義務に関する書…

罪の轍  (ねこ3.7匹)

奥田英朗著。新潮文庫。 昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやがて致命的な失態を演じる。憔悴す…

教場X 刑事指導官 風間公親  (ねこ3.9匹)

長岡弘樹著。小学館文庫。 伝説の刑事指導官・風間公親の右目が光を失った。かつて逮捕した男に逆恨みされ、千枚通しで襲撃されたのだ。その後、T県内では連続刺傷事件が起きているが、犯人は逃亡中だ。復帰した風間は、現場で厳しい指導を続ける。失格の烙…