すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

残穢  (ねこ3.7匹)

小野不由美著。新潮文庫。 この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、…

三四郎はそれから門を出た  (ねこ4匹)

三浦しをん著。ポプラ文庫。 「オシャレの追求に励むのは来世にまわし、今生では思うぞんぶん読書しようと思う。……世の中にこんなに本があるのに、顔なんか洗ってる場合じゃない」(文庫版あとがきより)筋金入りの活字中毒者・三浦しをんによる、抱腹絶倒、時…

桃色トワイライト  (ねこ3.8匹)

三浦しをん著。新潮文庫。 生まれて初めての合コンで『新選組! 』を語る、クリスマスイブに実家でイモの天ぷらを食す、非常にモテる男友だちの失恋話に相槌を打つ――思わず自分でツッコミを入れてしまう微妙さに懊悩しつつ、それでもなぜか追求してしまう残念…

夢のような幸福  (ねこ3.8匹)

三浦しをん著。新潮文庫。 欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見…

図書室の死体/The Bodies in the Library  (ねこ3.7匹)

マーティ・ウィンゲイト著。藤井美佐子訳。創元推理文庫。 わたしはイングランドの美しい古都バースにある、初版本協会の新米キュレーター。この協会は、アガサ・クリスティなどの初版本の収集家だった故レディ・ファウリングが設立した。事務局は彼女の住ま…

仙台ぐらし  (ねこ3.8匹)

伊坂幸太郎著。集英社文庫。 タクシーが、見知らぬ知人が、ずうずうしい猫が、多すぎる。タクシー運転手が嘆く不景気の元凶は何か、喫茶店で執筆中にやたらと話しかけてくるおじさんは誰なのか、どうすれば自分の庭に猫が糞をしなくなるか。仙台に暮らす心配…

大人になれない  (ねこ3.6匹)

まさきとしか著。幻冬舎文庫。 学校から帰宅し、母親に捨てられたと知った小学生の純矢。母の親戚・歌子の家に預けられたがそこはデブ女、無職の中年、67歳の引きこもりや毒親の老婆など、純矢が「生きてる価値ない」と思う大人の吹き溜まりだった。捨て子の…

灼熱  (ねこ3.8匹)

秋吉理香子著。PHP文芸文庫。 医者である英雄と一見、幸せな結婚生活を送る絵里。しかし彼女は本当の名前を咲花子といい、英雄が元夫を殺した証拠を探していた。 一年半前、咲花子は刑事から当時の夫が転落死したこと、何件もの詐欺を働いていたことを知らさ…

坂の上の赤い屋根  (ねこ3.8匹)

真梨幸子著。徳間文庫。 わたしが人殺しになったのは、この街のせい――。 人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻ま れコンクリート詰めされて埋められた。実の娘と、 その恋人によって……。その残虐性から世間を激震 が走った『文京区両親強盗殺人事件…

ツナグ 想い人の心得  (ねこ3.8匹)

辻村深月著。新潮文庫。 僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を…