すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

カクレカラクリ  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。講談社文庫。 あこがれの同級生、真知花梨の故郷を訪れた郡司と栗城。秘境のような小さな村には、明治初期に天才絡繰り師によって仕掛けられた隠れ絡繰りがあり、それが今年、動きだすはずだという。どんな装置か、どこにあるのか誰も知らない。言…

早朝始発の殺風景  (ねこ3.7匹)

青崎有吾著。集英社文庫。 青春は、気まずさでできた密室だ。始発の電車で遭遇したのは普段あまり話さない女子。二人は互いに早起きの理由を探り始め……(表題作)。部活の引退日、男同士で観覧車に乗り込んだ先輩と後輩。後輩には何か目的があるようだが(「夢…

赤目姫の潮解  (ねこ3.5匹)

森博嗣著。講談社文庫。 霧の早朝、私と鮭川は声を持たない聡明な赤目姫と三人でボートに乗っていた。目指す屋敷で、チベットで、ナイアガラで。私たちの意識は混線し、視点は時空を行き来し、やがて自分が誰なのかもわからなくなっていく―。これは幻想小説…

匿名作家は二人もいらない/Who is Maud Dixon?  (ねこ4匹)

アレキサンドラ・アンドリューズ著。大谷瑠璃子訳。ハヤカワ文庫。 作家になることを夢見るフローレンス・ダロウはある日、匿名のベストセラー作家、モード・ディクソンのアシスタントとして雇われる。最初はまじめに仕事をしていた彼女だったが、次第にモー…

酒寄さんのぼる塾日記  (ねこ3.8匹)

酒寄希望著。ヨシモトブックス。 大人気の女性お笑いグループ「ぼる塾」の育休中のメンバーが描く笑いと友情エッセイ 100ページ以上を書き下ろし&スペシャル企画も! 2020年11月からnoteで連載中のエッセイ、待望の書籍化。 「じつは、自分たちの面白さに気づ…

カエルの小指  (ねこ3.7匹)

道尾秀介著。講談社文庫。 「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」 詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、 訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。 母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになっ…

社会人大学人見知り学部 卒業見込  (ねこ3.8匹)

若林正恭著。角川文庫。 若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会と…

読書セラピスト/La Lettrice Scomparsa  (ねこ3.7匹)

ファビオ・スタッシ著。橋本勝雄訳。東京創元社。 悩める人々に文学作品を処方する読書セラピーを始めたヴィンチェ。彼のスタジオの階下の女性が失踪、状況証拠から夫が疑われる。読書家の彼女が読んでいた本のリストからヴィンチェは真相を探り出す。失踪女…

楽園ジューシー  (ねこ3.5匹)

坂木司著。角川書店。 ここは楽園じゃないけど、面白いところではある。 「残念なパーマの、残念なハーフ。人呼んでザンパ」。不名誉なあだ名とともに暗黒の少年時代を過ごした青年ザッくん。どん底から救ってくれた親友たちに背中を押されて、沖縄の安宿・…

完璧な母親  (ねこ3.8匹)

まさきとしか著。幻冬舎文庫。 流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完…

どきどきフェノメノン  (ねこ3.7匹)

森博嗣著。角川文庫。 窪居佳那・二十四歳、大学院のドクタコースに在籍して研究に没頭中。趣味は起き抜けのシャンプーと「どきどき」の探求。悩みは飲酒時の記憶喪失とよくわからない自分の気持ち。後輩の爽やか青年・鷹野と人形オタクの水谷、ダンディな指…