すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

白墨人形/The Chalk Man  (ねこ3.8匹)

C・J・チューダー著。中谷友紀子訳。文春文庫。 1986年の夏、12歳のエディと友人たちが見つけたバラバラ死体。終わったはずだった事件が、30年後のいまよみがえる。チョークで描かれた棒人間とともに。少年小説の切なさと、サイコ・スリラーの恐怖…

告解  (ねこ3匹)

薬丸岳著。講談社。 飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔―。失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔…

ロボット・イン・ザ・ガーデン/A Robot in the Garden  (ねこ4匹)

デボラ・インストール著。松原葉子訳。小学館文庫。 AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受…

ミスター・メルセデス/Mr. Mercedes  (ねこ3.8匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。 暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終った。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。こいつをこ…

罪火  (ねこ3.8匹)

大門剛明著。角川書店。 伊勢神宮奉納全国花火大会の夜に殺人事件は起こった。被害者は中学2年生の町村花歩。犯人は元派遣社員・若宮忍。花歩の母親、町村理絵はかつて若宮の恩師であり、一人暮らしの彼を家族ぐるみで気遣っていた。なのになぜ、若宮は凶行…

修羅の家  (ねこ3.7匹)

我孫子武丸著。講談社。 簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。 そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。 おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されてい…

絶対正義  (ねこ4匹)

秋吉理香子著。幻冬舎文庫。 由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。彼女の正義感は異常で、法から逸れることを絶対に許さない。由美子たちも、やっと掴んだ夢や恋人との関係、家族までも壊されそうになり…。このままでは人生…

汚れた手をそこで拭かない  (ねこ4.2匹)

芦沢央著。文藝春秋。 第164回直木賞候補作 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。 元不倫相手を見返したい料理研究家……始まりは、ささやかな秘密。 気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、 見逃したはず…

めぐりんと私。  (ねこ3.9匹)

大崎梢著。東京創元社。 三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」との出会いは、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐしていく。家族の希望で縁もゆかりもない土地で一人暮らすことになった規子の、本と共に歩んできた半生を描く「本は峠を越え…

木曜日にはココアを  (ねこ3.8匹)

青山美智子著。宝島社。 僕が働いている喫茶店。必ず木曜日にきて、いつも同じ席で手紙を書く女性がいる。 そして、頼むのは、決まってココア。僕は、その女性を「ココアさん」と密かに呼んでいる。 ある木曜日。ココアさんはいつものようにやってきたのだが…

鳩の撃退法  (ねこ4匹)

佐藤正午著。小学館文庫。 かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日…

狂人の部屋/La Chambre du Fou  (ねこ4.2匹)

ポール・アルテ著。平岡敦訳。ハヤカワ・ポケット・ミステリ。 【本格ミステリベストテン 2007年度第1位】ハットン荘のその部屋には、忌まわしい過去があった。百年ほど前、部屋に引きこもっていた文学青年が怪死したのだ。死因はまったくの不明。奇怪なこと…

恩讐の鎮魂曲  (ねこ4匹)

中山七里著。講談社文庫。 少年時代の凶悪犯罪が暴露され悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力ずくでもぎ取る。御子柴の弁護…