すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

リーシーの物語/Lisey's Story  (ねこ3.5匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。 作家だった夫を亡くした痛手を抱えるリーシーは、ようやく遺品整理をはじめた。すると、夫が自分に遺したメッセージが見つかる。彼は何かを伝えようとしている。それは夫の創作の秘密、つらい時に彼が訪れた異…

八獄の界 死相学探偵6  (ねこ3.8匹)

三津田信三著。角川ホラー文庫。 黒術師を崇拝する者たちがいる。黒い欲望を持った人々を犯罪へいざなう、恐るべき呪術の使い手・“黒術師”。黒捜課の曲矢刑事から、黒術師が崇拝者を集めたバスツアーを主催すると聞かされた俊一郎は、潜入捜査を手伝うことに…

パンドラの鳥籠 (ねこ3.7匹)

高田崇史著。新潮文庫。 丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、首なし死体も発見されている。編集者・西田真規は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の毒草師・御名形史紋、その助手の神凪百合と共に謎…

追憶の夜想曲  (ねこ4.4匹)

中山七里著。講談社。 豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司(みこしばれいじ)は、 夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。 対する検事は因縁の相手、岬恭平(みさききょうへい)。 御子柴は、なぜ主…

地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険  (ねこ3.5匹)

そえだ信著。早川書房。 鈴木勢太、性別男、33歳。未婚だが小学5年生の子持ち。北海道札幌方面西方警察署刑事課勤務……のはずが、暴走車に撥ねられ、次に気づいたときには……「スマートスピーカー機能付きロボット掃除機」になっていた! しかもすぐ隣の部屋に…

動機、そして沈黙  (ねこ3.5匹)

西澤保彦著。中公文庫。 時効まで二時間となった猟奇犯罪「平成の切り裂きジャック」事件を、ベテラン刑事が回想する。妻と戯れに推論を重ねるうち、恐ろしい仮説が立ち上がってきて…。表題作ほか、妄執、エロス、フェティシズムに爛れた人間の内面を、精緻…

おやすみ人面瘡  (ねこ4匹)

白井智之著。角川書店。 全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本。人瘤病患者は「間引かれる人」を意味する「人間」という蔑称で呼ばれ、その処遇は日本全土で大きな問題となっていた。そんな中、かつて人瘤病の感染爆発があった海…

ノースライト  (ねこ3.6匹)

横山秀夫著。新潮社。 横山ミステリー史上最も美しい謎。 熱く込み上げる感動。 一家はどこへ消えたのか? 空虚な家になぜ一脚の椅子だけが残されていたのか? 『64』から六年。待望の長編ミステリー。 一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望ま…

文学少女対数学少女  (ねこ3.7匹)

陸秋槎著。ハヤカワ文庫。 高校2年生の“文学少女”陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才“数学少女”韓采蘆と出逢う。彼女は作者の陸さえ予想だにしない真相を導き出して…“犯人当て”をめぐる論理の探求「連続体仮説」、数学史上最大の難問を小説化し…

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人  (ねこ3.6匹)

歌田年著。宝島社文庫。 第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、読書メーター「読みたい本ランキング」第1位の作品が、待望の文庫化! どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑 定」を「神探偵」と勘違いした女…

新宿なぞとき不動産  (ねこ3.8匹)

内山純著。創元推理文庫。 新宿の不動産会社で働く、知識はあるが駆け引きが苦手な賃貸営業マン・澤村聡志。ある日、優秀な後輩・神崎くららがパートナーになって以来、先輩使いが荒い彼女に振り回される毎日に。さらに担当する物件にはおかしな謎がつきまと…

私の頭が正常であったなら  (ねこ4匹)

山白朝子著。角川文庫。 最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ…

ワニの町へ来たスパイ/Louisiana Longshot  (ねこ3.8匹)

ジャナ・デリオン著。島村浩子訳。創元推理文庫。 潜入任務でちょっぴり暴れすぎたせいで、一時潜伏を命じられた凄腕秘密工作員のわたしは、ルイジアナの川辺の町にやってきた。自分とは正反対のおしとやかな女性を演じるつもりが、到着するなり保安官助手に…

密室から黒猫を取り出す方法  (ねこ4匹)

北山猛邦著。創元推理文庫。 密室殺人を企てる犯人の前に一匹の黒猫が現れた。あろうことかその猫は、今まさに密室にならんとする部屋に入り込んでしまい……。思わぬ闖入者に翻弄される犯人だが、さらに猫探しに訪れた探偵も現れる! 完全犯罪を目論む犯人の焦…

贖罪の奏鳴曲  (ねこ4.4匹)

中山七里著。講談社。 弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生。…

絶叫  (ねこ4.5匹)

葉真中顕著。光文社。 鈴木陽子というひとりの女の壮絶な物語。涙、感動、驚き、どんな言葉も足りない。貧困、ジェンダー、無縁社会、ブラック企業…、見えざる棄民を抉る社会派小説として、保険金殺人のからくり、孤独死の謎…、ラストまで息もつけぬ圧巻のミ…

ザリガニの鳴くところ/Where the Crawdads Sing  (ねこ4匹)

ディーリア・オーエンズ著。友廣純訳。早川書房。 ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを…