すべてが猫になる

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2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

十二の贄 死相学探偵5  (ねこ3.6匹)

三津田信三著。角川ホラー文庫。 中学生の悠真は、莫大な資産を持つ大面グループの総帥・幸子に引き取られた。7人の異母兄姉と5人の叔父・叔母との同居生活は平和に営まれたが、幸子が死亡し、不可解な遺言状が見つかって状況は一変する。遺産相続人13人の生…

夢は枯れ野をかけめぐる  (ねこ3.5匹)

西澤保彦著。中公文庫。 四八歳、独身。早期退職をして静かな余生を送る羽村祐太のもとには、なぜか不思議な相談や謎が寄せられる。「老い」にまつわる人間模様を、シニカルな語り口と精緻なロジックで本格ミステリに昇華させた、西澤ワールドの一つの到達点…

楽園とは探偵の不在なり  (ねこ3.7匹)

斜線堂有紀著。早川書房。 二人以上殺した者は"天使"によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる…

星空にパレット  (ねこ3.8匹)

安萬純一著。創元推理文庫。 九重高校の浩介たちが探偵部を創設させてまもなくの放課後、黒ずくめの男が合宿費を強奪していった。あまりの足の速さに、誰もが追いつけない。味をしめたのか数日後に、再び登場した黒ずくめの犯人は、逃げ込んだ倉庫で他殺体と…

ブロードキャスト  (ねこ3.8匹)

湊かなえ著。角川文庫。 中学時代、駅伝に打ち込んでいた圭佑は、あと一歩のところで全国大会を逃した。陸上強豪校に進学を決めるも、交通事故に遭い入部を断念する。目標を失っていたところ、脚本家を目指す正也に声の良さを買われ、放送部に入部することに…

教場0 刑事指導官・風間公親  (ねこ3.8匹)

長岡弘樹著。小学館文庫。 T県警が誇る「風間教場」は、キャリアの浅い刑事が突然送り込まれる育成システム。捜査一課強行犯係の現役刑事・風間公親と事件現場をともにする、マンツーマンのスパルタ指導が待っている。三か月間みっちり学んだ卒業生は例外な…

大鴉の啼く冬/Raven Black  (ねこ3.7匹)

アン・クリーヴス著。玉木享訳。創元推理文庫。 新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人を夜に訪れた黒髪の少女は、四日後の朝、雪原で死んでいた。真っ赤なマフラーで首を絞められて。顔見知りばかりの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか。ペレス警部…

家族パズル  (ねこ3.7匹)

黒田研二著。講談社。 父は亡くなる直前、雨降る病院の庭をなぜ靴を脱ぎ歩いたのか?(『はだしの親父』)。自殺志願の少年の命を救った優しいホームレスは殺人者だった!?(『神様の思惑』)。大金が必要となった青年は母を騙して、父の形見である絵画を狙うが(『…

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説  (ねこ3.5匹)

辻真先著。東京創元社。 昭和二四年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校三年生になった。旧制中学卒業後の、たった一年だけの男女共学の高校生活。そんな中、顧問の勧めで勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で…

アンと愛情  (ねこ3.7匹)

坂木司著。光文社。 成人式を迎えるアンちゃん。大人になるには、まだ早い気がするけど、それでも時間は進むし、世の中は待ってくれません。おいしいおやつを食べて、前を向いて。さあいきましょう。デパ地下から着物売り場、催事場に金沢旅行。少しずつ拡が…

監禁面接/Cadres Noirs  (ねこ4匹)

ピエール・ルメートル著。橘明美訳。文春文庫。 リストラにあい失業4年目のアラン、57歳。再就職も出来ずアルバイトで糊口を凌いでいたところ、一流企業の最終試験に残ったという朗報が届く。しかしそれは「就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁…

蒼色の大地  (ねこ3.5匹)

薬丸岳著。中央公論新社。 一九世紀末。かつて幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人は成長し、それぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は思いを寄せる灯を探し、謎の孤島・鬼仙島にたどり着く。「海…

QED ~ortus~ 白山の頻闇  (ねこ3.7匹)

高田崇史著。講談社文庫。 聖地白山を流れる手取川で発見された不可解な首なし死体。棚旗奈々と桑原崇は、全国三千社を数える白山神社の総本宮・白山比咩神社を訪れ、殺人事件に巻き込まれる。崇が白山信仰の本質を解き明かすとき、犯人の意図も白日の下に。…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~  (ねこ3.8匹)

三上延著。メディアワークス文庫。 ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本―横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。…

カメレオンの影/The Chameleon's Shadow  (ねこ3.8匹)

ミネット・ウォルターズ著。成川裕子訳。創元推理文庫。 アクランド英国軍中尉はイラクで爆弾によって頭に重傷を負い、片目を喪失する。病院での彼は他人に触れられると暴力的になり、看護師たちを戸惑わせていた。退院後、彼はロンドンに住み始める。だがア…