すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

満月の泥枕  (ねこ3.8匹)

道尾秀介著。光文社文庫。 姪の汐子と下町で暮らす凸貝二美男は、泥酔した公園で奇妙な光景を目撃する。白髪の老人、叫び声、水音、歩き去る男。後日訪ねてきた謎の少年は、二美男が見たのは「自分の伯父が祖父を殺した」現場だと言う。遺体の捜索を依頼され…

開けっぱなしの密室  (ねこ3.9匹)

岡嶋二人著。講談社文庫。 ユーモアと恐怖が交錯するミステリー傑作集。親友の夏美が引越したばかりのアパートで殺されてしまった。前夜泊まり込んでいた悦子は、警察の鈍い捜査にいらだち、自分で犯人捜しに乗り出した。なぜ犯人は密室の鍵を開けていったの…

パーキングエリア/No Exit  (ねこ4.2匹)

テイラー・アダムス著。東野さやか訳。ハヤカワ文庫。 クリスマスイブ前夜、女子大生のダービーは、母の容体悪化の知らせを受け、猛吹雪のなか車を飛ばす。しかし天候は悪化するばかりで、仕方なく途中のパーキングエリアで様子をみることに。そこで偶然、一…

覇王の死  (ねこ3.5匹)

二階堂黎人著。講談社文庫。 能登半島の最北部にある眞塊谷を支配する邑知家。『日本書紀』にも登場するほど古い豪族の末裔とも言われる名家の当主・邑知大輔は、戦時中は軍部にも影響力を持っていた大富豪。この家を乗っ取ろうという謎の弁護士の悪巧みによ…

ソフトタッチ・オペレーション  (ねこ3.6匹)

西澤保彦著。講談社文庫。 拉致女性が密閉空間にテレポートしてくる奇怪な監禁事件、男の手料理が招く連続怪死、辻褄があわないことだらけの豪邸内の殺人事件ほか5つの不思議な超常事件を、おなじみ神麻嗣子、神奈響子、保科匡緒が、異常な動機の犯罪を論理…

ロスジェネの逆襲  (ねこ4匹)

池井戸潤著。文春文庫。 子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山ととも…

ザ・チェーン 連鎖誘拐/The Chain  (ねこ4匹)

エイドリアン・マッキンティ著。鈴木恵訳。ハヤカワ文庫。 シングル・マザーのレイチェルの娘が誘拐された。犯人の要求は身代金の送金と他人の子供を誘拐することだった。犯人もまた息子を誘拐され、人質にとられているのだ。何者かが仕組んだこの連鎖誘拐シ…

QED 九段坂の春 ~flumen~  (ねこ3.8匹)

高田崇史著。講談社文庫。 桜の木の下で、花びらを握り締めた男の死体が発見された。中学生の桑原崇が想いを寄せる、女教師・五十嵐弥生は事件に関係があるのか?崇の淡い失恋、棚旗奈々のファーストキス…小松崎、御名形らの学生時代が綴られ、いつしか複雑な…

どこの家にも怖いものはいる  (ねこ3.7匹)

三津田信三著。中公文庫。 三間坂という編集者と出会い、同じ怪談好きとして意気投合する作家の三津田。その縁で彼の実家の蔵から発見された「家」に関するいくつかの記述を読むことになる。だが、その五つの幽霊屋敷話は、人物、時代、内容などバラバラなは…

マインド・クァンチャ  (ねこ4匹)

森博嗣著。中公文庫。 その美しい速さ、比類なき鋭さ。こんな剣がこの世にあったのか―。突如現れた謎の刺客。ゼンは己の最期さえ覚悟しつつ、最強の敵と相対する。至高の剣を求め続けた若き侍が、旅の末に見出した景色とは?(裏表紙引用) ヴォイド・シェイ…

花咲舞が黙ってない  (ねこ3.8匹)

池井戸潤著。中公文庫。 その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作…

ドローン探偵と世界の終わりの館  (ねこ4匹)

早坂吝著。文春文庫。 颯爽と空から現れ、犯人を捕獲する神出鬼没の“ドローン探偵”こと飛鷹六騎。ある日彼は、捜査中に両足を骨折。折しも大学探検部の面々と廃墟探検へ向かう予定だった。悩んだ末にドローンを操り、カメラ越しに探検をするが、廃墟の中では…