すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

許されざる者/Den Doende Detektiven  (ねこ4.2匹)

レイフ・GW・ペーション著。久山葉子訳。創元推理文庫。 国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたとい…

福家警部補の報告  (ねこ3.7匹)

大倉崇裕著。創元推理文庫。 今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦―過去数…

星籠の海  (ねこ4.2匹)

島田荘司著。講談社文庫。 瀬戸内の小島に、死体が次々と流れ着く。奇怪な相談を受けた御手洗潔は石岡和己とともに現地へ赴き、事件の鍵は古から栄えた港町・鞆(とも)にあることを見抜く。その鞆では、運命の糸に操られるように、一見無関係の複数の事件が同…

QED 御霊将門  (ねこ3.5匹)

高田崇史著。講談社文庫。 靖国神社を皮切りに、築土神社、神田明神、首塚・兜神社、烏森神社、稲荷鬼王神社、鎧神社、さらには成田山新勝寺へ。お花見に出かけたはずの棚旗姉妹と桑原崇だったが、いつしか将門ゆかりの地を巡る小旅行に。日本を代表する大怨…

寄宿学校の天才探偵/Truly Devious  (ねこ3.7匹)

モーリーン・ジョンソン著。谷泰子訳。創元推理文庫。 天才や革新者を輩出してきたエリンガム・アカデミー。新入生のスティヴィは推理マニアで、過去に起きたアカデミー創設者の妻と娘の誘拐事件の謎に夢中になっている。身代金が支払われたのに妻は殺され、…

パンダ探偵  (ねこ3.7匹)

鳥飼否宇著。講談社タイガ。 ヒトと呼ばれた種が地球上から姿を消して、二百年が経った。世界は知能を持つ動物たちの王国となり、肉食・草食の別なく、平和に暮らしていた。だが、そんな楽園に不穏な影が忍び寄る!姿の見えない誘拐犯、密室から消えた非常食…

カウントダウン  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。宝島社文庫。 余命、半年―。海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳独身。歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。延命治療を受けないと決意した亜希子は“有終の美”…

鶏小説集  (ねこ3.9匹)

坂木司著。角川文庫。 塾友のレンと俺は、似てるけど似てない―夜のコンビニで出会った少年たちの葛藤を描く(「トリとチキン」)。我が子を好きになれず悩む父親が、たった1人だけに打ち明けた本音とその答えとは…(「地鶏のひよこ」)。他人の意見に振り回され…

折りたたみ北京/Invisible Planets  (ねこ4匹)

ケン・リュウ編。中原尚哉・他訳。ハヤカワ文庫。 天の秘密は円のなかにある――円周率の中に不老不死の秘密があると聞かされた秦の始皇帝は、五年以内に十万桁まで円周率を求めよと命じた。学者の荊軻は始皇帝の三百万の軍隊を用いた驚異の人間計算機を編みだ…

クララ殺し  (ねこ3.7匹)

小林泰三著。創元推理文庫。 ここ最近、奇妙な生き物やアリスという少女が暮らす不思議の国の夢ばかり見ている大学院生の井森建は、ある晩、いつもとは違って、緑豊かな山の中でクララと名乗る車椅子の美少女と出会う夢を見る。翌朝、大学に向かった井森は、…

アリバイ崩し承ります  (ねこ3匹)

3 大山誠一郎著。実業之日本社文庫。 美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃の…

陸王  (ねこ5匹)

池井戸潤著。集英社文庫。 埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金繰りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。それは、伝統の技術を駆使したランニングシューズの開発だった。世界的スポーツブラン…

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する/Digital Minimalism:Choosing a Focused Life in a Noisy World  (ねこ3.5匹)

カル・ニューポート著。池田真紀子訳。早川書房。 やらなきゃいけないことも、やりたいこともたくさんあるのに、SNSがとまらない……。AppleやTwitterが巧妙に仕掛ける依存の仕組みに抗うには、もはや一時的なデジタル・デトックスじゃ足りない。これは生き方…

怪談のテープ起こし  (ねこ3.8匹)

三津田信三著。集英社文庫。 自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。それを集めて記事にしないか? 編集者時代の三津田に企画を提案したライターが突然失踪。後日、三津田の元に届いた1本のテープには何が。カセットやMDに録音された体験談に…

ダマシ×ダマシ  (ねこ4匹)

森博嗣著。講談社文庫。 結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい――。依頼を受けた小川令子は男が結婚詐欺の常習犯だと突き止めるが、事件は殺人に発展する。一方、小川の事務所の謎めいた所長・…

最高の盗難 音楽ミステリー集  (ねこ3.8匹)

深水黎一郎著。河出文庫。 時価十数億のヴァイオリン、ストラディヴァリウスの銘器が若き天才ヴァイオリニストの凱旋コンサート会場から忽然と消えた!巨大な密室と化した超満員の音楽ホール。チャイコフスキーの名曲が明らかにした真犯人は?そしてあまりに芸…

殺人者の顔/Mördare utan Ansikte  (ねこ3.8匹)

ヘニング・マンケル著。柳沢由実子訳。創元推理文庫。 雪の予感がする早朝、動機不明の二重殺人が発生した。男は惨殺され、女も「外国の」と言い残して事切れる。片隅で暮らす老夫婦を、誰がかくも残虐に殺害したのか。燎原の火のように燃えひろがる外国人排…