すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴォイド・シェイパ  (ねこ3.8匹)

森博嗣著。中公文庫。 人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む―ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」…た…

QED 龍馬暗殺  (ねこ3.8匹)

高田崇史著。講談社文庫。 高知の山深く、平家の落人伝説が残る蝶ヶ谷村。土砂崩れで密室と化した村の一夜に起こる殺人と自殺。大学の後輩全家美鳥を訪ねてきた桑原崇と奈々たちも事件に巻き込まれるが、その最中、維新の英雄・坂本龍馬暗殺の黒幕を明かす手…

言葉人形/Creation and Other Stories  (ねこ4匹)

ジェフリー・フォード著。谷垣暁美編訳。東京創元社。 かつて野良仕事に駆り出された子どもたちの為に用意された架空の友人、言葉人形。それはある恐ろしい出来事から廃れ、今ではこの博物館の片隅にその名残を留めている――表題作ほか、光と星の秘密を追う研…

蜂に魅かれた容疑者  (ねこ3.8匹)

大倉崇裕著。講談社文庫。 新興宗教団体にかかわる事件で警視庁が緊張に包まれる中、都内近郊ではスズメバチが人を襲う事故が連続して発生。中には、高速道路を走る車内に蜂が放たれるという悪質な事例も。平穏な日常を脅かす小さな「兵器」に、窓際警部補・…

ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿  (ねこ3.7匹)

滝田務雄著。双葉社。 女刑事の理恩には問題が多い。減らず口を叩いたり、食い意地が張っていたり、すぐ迷子になったり。だが推理だけは超一流! コワモテの部下である拾得とともに、タレント歌人の失踪、大学教授の謎の死といった4つの難事件に立ち向かう。 …

休日はコーヒーショップで謎解きを/The Red Envelope and Other Stories  (ねこ4匹)

ロバート・ロプレスティ著。高山真由美訳。創元推理文庫。 拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか?意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探…

犯人選挙  (ねこ3.7匹)

深水黎一郎著。講談社。 築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の…

クローバーナイト  (ねこ3.5匹)

辻村深月著。光文社文庫。 小さな会計事務所で働く鶴峯裕は同い年の妻・志保と共働き、四歳の長女・莉枝未ともうすぐ二歳になる長男・琉大を保育園に預け、バタバタの日々を過ごしている。そんな鶴峯家に、ママ友、パパ友から子育てにまつわる難題と謎が押し…

ヴェネツィア便り  (ねこ3.8匹)

北村薫著。新潮社。 ヴェネツィアは、今、輝く波に囲まれ、わたしの目の前にあります。沈んではいません。――あなたの「ヴェネツィア便り」は時を越えて、わたしに届きました。この手紙も、若いあなたに届くと信じます――なぜ手紙は書かれたのか、それはどんな…

書楼弔堂 炎昼  (ねこ4匹)

京極夏彦著。集英社文庫。 明治三十年代初頭。人気のない道を歩きながら考えを巡らせていた女学生の塔子は、道中、松岡と田山と名乗る二人の男と出会う。彼らは幻の書店を探していて―。迷える人々を導く書舗、書楼弔堂。田山花袋、平塚らいてう、乃木希典な…