すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

八月の六日間  (ねこ3.6匹)

北村薫著。角川文庫。 雑誌の副編集長をしている「わたし」。柄に合わない上司と部下の調整役、パートナーや友人との別れ…日々の出来事に心を擦り減らしていた時、山の魅力に出会った。四季折々の美しさ、恐ろしさ、人との一期一会。一人で黙々と足を動かす…

飲めば都  (ねこ3.8匹)

北村薫著。新潮文庫。 人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情…。本を創って…

元気でいてよ、R2-D2  (ねこ4匹)

北村薫著。集英社文庫。 平穏な日常は、他人の何気な言葉ひとつで、ざわつき始める。夫と後輩女性が噂になっていると聞き、妻が駆け込んだ所は?(「マスカット・グリーン」)女同士の飲み会で、あっちこっち脱線しながら話すうち、ふと蘇る切ない記憶(「元気で…

1950年のバックトス  (ねこ3.7匹)

北村薫著。新潮文庫。 「野球って、こうやって、誰かと誰かを結び付けてくれるものなんだね」忘れがたい面影とともに、あのときの私がよみがえる…。大切に抱えていた想いが、時空を超えて解き放たれるとき―。男と女、友と友、親と子を、人と人をつなぐ人生の…

たけまる文庫 怪の巻 (ねこ3.6匹)

我孫子武丸著。集英社文庫。 業界初(?)の「ひとり雑誌」形式で世間を「あ~っ?」と言わせた話題の短編集「小説たけまる増刊号」が、なんと今度は驚きの「個人文庫」になって帰ってきた―。記念すべき第一回配本分はホラー作品を集めた「怪の巻」をお届けします…

少年たちの四季  (ねこ3.7匹)

我孫子武丸著。集英社文庫。 マンションの隣に越してきた萩原さんは大人のくせにいつもゲームばかりしている。中三の夏休み、受験勉強に飽きたぼくは、居心地のいい萩原さんの部屋に遊びに行くようになった。でも、そんな無邪気で楽しい日々も、死人が出るま…

屍蠟の街  (ねこ3.6匹)

我孫子武丸著。双葉文庫。 2025年―。ネットワーク上の仮想都市“ピット”は殺人や強盗が氾濫している無法地帯。現実世界の溝口&シンバを殺せば、賞金と名誉が手に入ると、多くのネットジャンキーが命を狙う。連続猟奇殺人鬼「ドク」に脳をコントロールされつつ…

狼と兎のゲーム  (ねこ3匹)

我孫子武丸著。講談社文庫。 智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿…

赤い霧/Le Brouillard Rouge  (ねこ4.4匹)

ポール・アルテ著。平岡敦訳。ハヤカワ・ポケット・ミステリ。 1887年英国。ブラックフィールド村に、『デイリー・テレグラフ』の記者と名乗る男が十年振りに帰郷する。昔、この村で起こった密室殺人事件を、正体を隠して調べ直そうというのだ。十年前、娘の…

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (ねこ4匹)

三上延著。メディアワークス文庫。 鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美…

みんなの少年探偵団2  (ねこ4匹)

有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明著。ポプラ文庫。 明智小五郎、少年探偵団、そして怪人二十面相…。いまだ多くの人々を魅了し続ける、江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズ。彼らの対決に胸を躍らせた、現代を代表する豪華ミステリ作家陣が集…

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~  (ねこ3.8匹)

周木律著。講談社文庫。 放浪の数学者、十和田只人は美しき天才、善知鳥神に導かれ第三の館へ。そこで見せられたものは起きたばかりの事件の映像―それは五覚堂に閉じ込められた哲学者、志田幾郎の一族と警察庁キャリア、宮司司の妹、百合子を襲う連続密室殺…

原始の骨/Uneasy Relations  (ねこ3.7匹)

アーロン・エルキンズ著。嵯峨静江訳。ハヤカワ文庫。 ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨―この大発見の五周年記念行事に参加すべく骨の発掘されたジブラルタルを訪れたギデオン。だが喜ばしい記念行事の影には発掘現場での死亡事故をは…

ニャン氏の童心  (ねこ3.8匹)

松尾由美著。創元推理文庫。 仕事に悩む女性編集者の田宮宴はある日、袋小路で人が忽然と消えるという事件に遭遇。謎の実業家にして童話作家のミーミ・ニャン吉先生の事務所で、秘書の丸山にその不思議な出来事について話すと、そばにいた猫が何かを伝えよう…

罪の声  (ねこ4.2匹)

塩田武士著。講談社文庫。 京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この…

奥様はクレイジーフルーツ  (ねこ3.8匹)

柚木麻子著。文春文庫。 結婚して三年ほどの三十歳の主婦、初美。編集者の夫とは仲が良く、優しい彼に不満はないが、夜の営みが間遠に。欲求不満で同級生の男と浮気をしそうになったり、義弟に妄想、浪人生を誘惑、果ては乳房を触診する女医にまで発情する始…

不条理な殺人/Murder is Absurd  (ねこ4.3匹)

パット・マガー著。戸田早紀訳。創元推理文庫。 人気俳優マークは義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。それは17年前、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。当時4歳だった息子が何かを知っている?マークはケニーの母で女…