すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

彼女は一人で歩くのか?  (ねこ3.7匹)

森博嗣著。講談社タイガ。 ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォー…

神の子  (ねこ4.2匹)

薬丸岳著。光文社文庫。 少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録した町田博史。戸籍すら持たぬ数奇な境遇の中、他人を顧みず、己の頭脳だけを頼りに生きてきた。そして、収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、予想だにしなかった日々を彼にもた…

東京物語  (ねこ3.7匹)

奥田英朗著。集英社文庫。 1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波に…

コリーニ事件/Der Fall Collini  (ねこ3.7匹)

フェルディナント・フォン・シーラッハ著。酒寄進一訳。創元推理文庫。 新米弁護士のライネンは、ある殺人犯の国選弁護人になった。だが、その男に殺されたのはライネンの親友の祖父だったと判明する。知らずに引き受けたとはいえ、自分の祖父同然に思ってい…

つぶやきのクリーム  (ねこ3.9匹)

森博嗣著。講談社文庫。 何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである―。けっこう当たり前なことのなかに、人生の大きなテーマは潜んでいるものなのだ。小説家・森博嗣がつい誰かに教えたくなって意…

キャロリング  (ねこ3.9匹)

有川浩著。幻冬舎文庫。 クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員・大和俊介。同僚で元恋人の柊子に秘かな思いを残していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるた…

物語のおわり  (ねこ4匹)

湊かなえ著。朝日文庫。 病の宣告、就職内定後の不安、子どもの反発…様々な悩みを抱え、彼らは北海道へひとり旅をする。その旅の途中で手渡された紙の束、それは「空の彼方」という結末の書かれていない小説だった。そして本当の結末とは。あなたの「今」を…

神は銃弾/God is a Bullet  (ねこ4匹)

ボストン・テラン著。田口俊樹訳。文春文庫。 憤怒―それを糧に、ボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。鮮烈にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。神なき…

Aではない君と  (ねこ4匹)

薬丸岳著。講談社文庫。 あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、父親に電話をかけていた。真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎えるが。少年犯罪に向き合っ…