すべてが猫になる

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2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ハイ・ライズ/HIGH-RISE  (ねこ3.8匹)

J・G・バラード著。村上博基訳。創元SF文庫。 ロンドン中心部に聳え立つ、知的専門職の人々が暮らす新築の40階建の巨大住宅。1000戸2000人を擁し、マーケット、プール、ジム、レストランから、銀行、小学校まで備えたこの一個の世界は、10階までの下層部…

黒い画集  (ねこ4匹)

松本清張著。新潮文庫。 安全と出世を願って平凡に生きる男の生活に影がさしはじめる。"密通"ともいうべき、後ろ暗く絶対に知られてはならない女関係。どこにでもあり、誰もが容易に経験しうる日常生活の中にひそむ深淵の恐ろしさを描いて絶讃された連作短編…

双蛇密室  (ねこ4匹)

早坂吝著。講談社ノベルス。 「援交探偵」上木らいちの「お客様」藍川刑事は「二匹の蛇」の夢を物心付いた時から見続けていた。一歳の頃、自宅で二匹の蛇に襲われたのが由来のようだと藍川が話したところ、らいちにそのエピソードの矛盾点を指摘される。両親…

ハリー・クバート事件/La Verite sur l'affaire Harry Quebert (ねこ4.6匹)

ジョエル・ディケール著。橘明美訳。創元推理文庫。 デビュー作でベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、二作目が書けずに苦しみ、大学の恩師で国民的大作家ハリー・クバートに助言を求めるが、そのハリーが33年前に失踪した美少女殺害容疑で逮…

さよならの手口  (ねこ3.9匹)

若竹七海著。文春文庫。 探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失…

リバース  (ねこ3.8匹)

湊かなえ著。講談社文庫。 深瀬和久は平凡なサラリーマン。自宅の近所にある“クローバー・コーヒー”に通うことが唯一の楽しみだ。そんな穏やかな生活が、越智美穂子との出会いにより華やぎ始める。ある日、彼女のもとへ『深瀬和久は人殺しだ』と書かれた告発…

堆塵館/Heap House  (ねこ4.8匹)

エドワード・ケアリー著。古屋美登里訳。東京創元社。 19世紀後半、ロンドンの外れの巨大なごみ捨て場。幾重にも重なる屑山の中心に「堆塵館」という巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。一族の者は、生まれると必ず「誕生…

ひとり吹奏楽部 -ハルチカ番外篇  (ねこ3.8匹)

初野晴著。角川文庫。 マレンと成島の夢は、穂村と上条の夢を叶えることだ―。部を引退した片桐元部長から告げられ、来年のコンクールへの決意を新たにする芹澤直子。ギクシャクした関係を続けるカイユと後藤朱里。部の垣根を越えてある事件を解決するマレン…