すべてが猫になる

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2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

毒草師 白蛇の洗礼  (ねこ3.7匹)

高田崇史著。朝日文庫。 裏千家の茶席で発生した毒殺事件。真相を追う編集者の西田の前で、第二の被害者は自らの吐血で十字を描いた。同席者が次々と殺害される中、彼は千利休の奇妙な経歴に辿り着く。傲岸不遜にして博学の“毒草師”御名形史紋の推理が冴える…

アトランティスのこころ/Hearts in Atlantis (ねこ3.5匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。新潮文庫。 初めて彼女にキスした少年のあの夏、それ以上のキスが二度と訪れはしないことを、ぼくは知らなかった…。1960年、11歳のボビーとキャロル、サリー・ジョンは仲良し3人組だった。だが、ひなびた街に不思議な老人…

夢にも思わない  (ねこ3.6匹)

宮部みゆき著。中公文庫。 秋の夜、下町の庭園での虫聞きの会で殺人事件が。殺されたのは、僕の同級生のクドウさんの従姉だった。被害者には少女売春組織とのかかわりがあったらしい。無責任な噂があとを絶たず、クドウさんも沈みがち。大好きな彼女のために…

ST 警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル  (ねこ3.8匹)

今野敏著。講談社文庫。 大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの…

星を撃ち落とす  (ねこ3.5匹)

友桐夏著。創元推理文庫。 世界に憧れる有騎、いつも一緒の鮎子と茉歩。三人の女子高生の友情は、問題児の美雲と関わったことで変化していく。四人の間に緊張が高まる中、悲劇が…。後日、罪悪感に囚われ思い悩む有騎がたどり着いたのは、天体観測会が行われ…

鉄の薔薇/La Rose de Fer (ねこ3.6匹)

ブリジット・オベール著。堀茂樹訳。ハヤカワ文庫。 東西の壁が崩壊したあとナチの残党が暗躍するヨーロッパ。表向きは国際経営コンサルタント、裏ではプロの銀行強盗という二重生活を営むジョルジュは、銀行を襲うべく訪れたブリュッセルの街で、ジュネーブ…

南極。  (ねこ3匹)

京極夏彦著。集英社文庫。 丸い肉塊に黒い縦筋が十数本。その不気味な肉質が蛇腹のように縮んで、にゅう、と眉毛が八の字になった―人気最低の四流小説家、南極夏彦(通称・簾禿げ)と編集者たちが繰り広げるナンセンスギャグの極致が、ついに文庫化。赤塚不二…

星読島に星は流れた  (ねこ3.8匹)

久住四季著。創元推理文庫。 天文学者ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。それほど天文に興味はないものの、家庭訪問医の加藤盤も参加の申し込みをしたところ、凄まじい倍率をくぐり抜け招待客のひとりとなる。この天体観…

王妃の帰還  (ねこ4匹)

柚木麻子著。実業之日本社文庫。 私立女子校中等部二年生の範子は、地味ながらも気の合う仲間と平和に過ごしていた。ところが、公開裁判の末にクラスのトップから陥落した滝沢さん(=王妃)を迎え入れると、グループの調和は崩壊!範子たちは穏やかな日常を取り…

呪い!/Curses! (ねこ3.8匹)

アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ハヤカワ文庫。 人類学教授ギデオン・オリヴァーは、マヤ遺跡の発掘に協力するため、メキシコへ飛んだ。遺跡から人骨が見つかり、彼が鑑定を依頼されたのだった。だがそこで、奇怪な事件が起きた。人骨のそばで発見され…

恋と禁忌の述語論理  (ねこ4匹)

井上真偽著。講談社ノベルス。 大学生の詠彦は、天才数理論理学者の叔母、硯さんを訪ねる。アラサー独身美女の彼女に、名探偵が解決したはずの、殺人事件の真相を証明してもらうために。詠彦が次々と持ち込む事件―「手料理は殺意か祝福か?」「『幽霊の証明』…