すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

闇に香る嘘  (ねこ4匹)

下村敦史著。講談社文庫。 孫への腎臓移植を望むも適さないと診断された村上和久は、兄の竜彦を頼る。しかし、移植どころか検査さえ拒絶する竜彦に疑念を抱く。目の前の男は実の兄なのか。27年前、中国残留孤児の兄が永住帰国した際、失明していた和久はその…

ダーク・タワーⅡ 運命の三人/The Dark Tower Ⅱ The Drawing of the Three

スティーヴン・キング著。風間賢二訳。新潮文庫。 旅をともにしてきた少年ジェイクを、〈暗黒の塔〉への執念から見捨てた〈ガンスリンガー〉ローランド。旅を続ける彼は〈黒衣の男〉の言葉通り浜辺へと辿り着くが、そこで待っていたのはロブスターの化け物だ…

パズル自由自在 千葉千波の事件日記 (ねこ3.7匹)

高田崇史著。講談社文庫。 これは、論理パズルでデコレーションした本格ミステリか、それとも本格ミステリの仮面を剥ぎ取った論理パズルか?天才高校生・千波くん、平凡浪人生・ぴいくんたちと一緒に、筋道だったチャーミングでエレガントでスプレンディッド…

山女日記  (ねこ4匹)

湊かなえ著。幻冬舎文庫。 こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登…

特捜部Q ―知りすぎたマルコ―/Marco Effekten (ねこ4匹)

ユッシ・エーズラ・オールスン著。吉田薫訳。ハヤカワ文庫。 犯罪集団によって物乞いやスリをさせられてきた少年マルコ。組織から脱走を図った彼は、逃げ込んだ先で腐乱した男を発見する。その死体には、巨悪の思惑が絡み合う国際的な陰謀が隠されていた。一…

ST 警視庁科学特捜班 青の調査ファイル (ねこ3.7匹)

今野敏著。講談社文庫。 心霊テレビ番組の収録中、スタッフが首を骨折して死亡した。密室での出来事は事故死と処理されかけたが、警視庁科学特捜班は殺人の可能性を追う。霊能者、タレント、反目し合うスタッフ。そして超常現象の影。だがST・青山は真相を…

毒草師 QED Another Story (ねこ4匹)

高田崇史著。講談社文庫。 「恐ろしいのは毒草ではなく人間です」。名家・鬼田山家で、「一つ目の鬼を見た」と言い残し、施錠された離れから家人が次々と失踪する事件が発生。さらに長男・柊也が何者かに毒殺され…。関係者全員を前に、古今東西の薬と毒に精…

さよなら、シリアルキラー/I Hunt Killers (ねこ3.8匹)

バリー・ライガ著。満園真木訳。創元推理文庫。 ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのか―彼が連続殺人犯の息子で、父から殺…

島はぼくらと  (ねこ4匹)

辻村深月著。講談社文庫。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と…

死神の浮力  (ねこ3.9匹)

伊坂幸太郎著。文春文庫。 娘を殺された山野辺夫妻は、逮捕されながら無罪判決を受けた犯人の本城への復讐を計画していた。そこへ人間の死の可否を判定する“死神”の千葉がやってきた。千葉は夫妻と共に本城を追うが―。展開の読めないエンターテインメントで…

断崖の骨/Murder in the Queen’s Arms (ねこ3.8匹)

アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ハヤカワ文庫。 楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。新妻のジュリーとイギリス南西部の風光明媚な地を訪れたギデオン・オリヴァー教授は、またもや事件に巻き込まれてしまった。見学先の博物館から貴重な先史人の骨…

深泥丘奇談・続々  (ねこ3.8匹)

綾辻行人著。角川書店。 2004年に怪談専門誌『幽』でスタートした〈深泥丘シリーズ〉。今夏、シリーズ完結篇となる第三集『深泥丘奇談・続々』がついに刊行。本格ミステリ作家が「謎→解決」の枠組みにとらわれない創作怪談に挑んだことで、第一集刊行時には…

ドミノ倒し  (ねこ1.5匹)

貫井徳郎著。創元推理文庫。 地方都市・月影市で探偵業を営む十村は、亡くなった元恋人の妹から殺人事件の調査を依頼される。十村が旧友の警察署長と調査に着手したところ、過去に月影市内で起きた未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり、さらに調べると…