2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧
カミ著。高野優訳。創元推理文庫。 名探偵ルーフォック・オルメス氏。オルメスとはホームズのフランス風の読み方。シャーロックならぬルーフォックは「ちょっといかれた」を意味する。首つり自殺をして死体がぶらさがっているのに、別の場所で生きている男の…
今野敏著。講談社文庫。 現場は検察の暴走を止められるのか?エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は独断で動き始める。拘束された被疑者が“落ちる”ま…
京極夏彦著。角川文庫。 江戸郊外のとある廃屋に、いつのまにやら棲みついていた1匹の妖怪、豆腐小僧。豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪である自分は、豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか―。思い悩んだ小僧…
ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。 名探偵リンカーン・ライムに持ち込まれたプロの殺し屋による殺人。だが現場には犯人の痕跡が何もなかった。「犯人は犯罪の現場に必ず微細な証拠を残す」という原理を裏切る難事件を描く「ロカールの原…
井上真偽著。講談社ノベルス。 聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。 それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜…
霧舎巧著。光文社。 ヘンな大人が集まるヘンな建物には、ヘンな事件がよく似合う。 ゴスロリ誘拐事件、燃える雪うさぎの謎、人気アイドルの失踪……。個室レンタルスペース「秘密基地」で巻き起こる数々の怪しいトラブル。すべての鍵を握る人物とは! ? ラスト…
道尾秀介著。文藝春秋。 街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計をたてる女性、夏都。彼女はある誘拐事件をきっかけに、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消…
加納朋子著。幻冬舎文庫。 大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み…
羽田圭介著。河出文庫。 兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を…
知念実季人著。実業之日本社文庫。 療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎…
岸本佐知子編訳。河出文庫。 まぶたを縫い合わせた時点で手順を忘れた二人を描くB・エヴンソン「ヘベはジャリを殺す」。二の腕の紋章のようなものの記憶をめぐるA・カヴァン「あざ」。その他、J・C・オーツ、K・カルファスなど短篇の名手たちによる12の物語…
真梨幸子著。徳間文庫。 あの女さえ、いなければ――。篠田淳子は中学時代の同級生、佐竹純子が伊豆連続不審死事件の容疑者となっていることをニュースで知る。同じ「ジュンコ」という名前の彼女は、淳子の人生を、そして淳子の家族を崩壊させた張本人だった。…
山本弘著。創元SF文庫。 ビブリオバトルとは、本を通して人をつなぎ、人と知識をつなぐ知的ゲーム。SF小説が好きな15歳の少女・伏木空は、SFに理解のない同級生・埋火武人の誘いでビブリオバトル部に入部する。メンバーはそれぞれ得意分野を持つ個性派揃い…
フランツ・カフカ著。頭木弘樹編訳。新潮文庫。 「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。彼のネガティブな、本音の言葉を集めたのがこの本です。悲惨…
恒川光太郎著。文春文庫。 時は江戸。ある大遊廓の創業者・熊悟朗は、人が抱く殺意の有無を見抜くことができた。ある日熊悟朗は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遙香と出会う。謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遙香が熊悟朗に願ったこ…
深緑野分著。創元推理文庫。 美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった―楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第…