すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

リンカーン弁護士/The Lincoln Lawyer (ねこ4.2匹)

マイクル・コナリー著。古沢嘉通訳。講談社文庫。 高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い…

定本 百鬼夜行―陽  (ねこ4.2匹)

京極夏彦著。文春文庫。 人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登…

黒いモスクワ ST 警視庁科学特捜班  (ねこ3.8匹)

今野敏著。講談社文庫。 ロシアの捜査当局と情報交換のために急遽出張せよ――。モスクワに到着した警視庁科学特捜班、通称STの百合根と赤城を待ち構えていたのは、ロシア正教会で起きたマフィア怪死事件だった。怪異の噂のある場所で変死は連続する。怪現象か…

ホーンズ 角/Horns (ねこ3匹)

ジョー・ヒル著。白石朗訳。小学館文庫。 イグネーシャス・マーティン・ペリッシュは酔って一夜を過ごし、忌まわしいことをした。翌朝、頭痛とともに目覚めてすぐ、こめかみに手をやると、馴染みのない感触が伝わってきた――(本文より) フランツ・カフカ『…

試験に出ないパズル 千葉千波の事件日記  (ねこ3.6匹)

高田崇史著。講談社文庫。 有名な“川渡しの問題”を高田流にアレンジした「山羊・海苔・私」、図書館を舞台にした暗号を解く「八丁堀図書館の秘密」など、論理パズルと事件の謎解きをコラボレートした、ユーモア推理短編集。有栖川有栖氏が「高田ワールド」を…

夢幻花  (ねこ3.7匹)

東野圭吾著。PHP文芸文庫。 花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す…

養鶏場の殺人/火口箱/Chickenfeed/The Tinder Box (ねこ3.8匹)

ミネット・ウォルターズ著。成川裕子訳。創元推理文庫。 1920年冬、エルシーは教会で純朴な青年に声をかけた。恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう―。英国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害…

戻り川心中  (ねこ4.3匹)

連城三紀彦著。光文社文庫。 大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは?女たちを死なせてまで彼が求めたものとは?歌に秘められた男の野望と道連れにされる女…

空飛ぶ広報室  (ねこ3匹)

有川浩著。幻冬舎文庫。 不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクタ…

霊応ゲーム/The Wishing Game (ねこ3.8匹)

パトリック・レドモンド著。広瀬順弘訳。ハヤカワ文庫。 1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。しかしある時から、クラスで一目置かれる一匹狼のリ…