すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィクトリア朝の寝椅子/The Victorian Chaise-longue (ねこ3.5匹)

マーガニータ・ラスキ著。新人物往来社。 第二次世界大戦終結から七年後のロンドン。弁護士を夫に持ち、一人の子供に恵まれたメラニーは、次の子供を妊娠中に結核を患ってしまう。不安と焦燥の中、骨董屋で入手した寝椅子で眠ってしまったメラニー。目が覚め…

麒麟の翼  (ねこ3.9匹)

東野圭吾著。講談社文庫。 「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。…

かにみそ  (ねこ3.8匹)

倉狩聡著。角川書店。 全てに無気力な私が拾った小さな蟹。何でも食べるそれは、頭が良く、人語も解する。食事を与え、蟹と喋る日常。そんなある日、私は恋人の女を殺してしまうが……。私と不思議な蟹との、奇妙で切ない泣けるホラー。 第20回日本ホラー小説…

死ねばいいのに  (ねこ4匹)

京極夏彦著。講談社。 死んだ女のことを教えてくれないか――。 無礼な男が突然現れ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剝き出しの真実……。人は何のために生きるの…

機械探偵クリク・ロボット/Krik-Robot (ねこ3.8匹)

カミ著。ハヤカワ・ミステリ文庫。 古代ギリシャの偉大なる発明家の直系の子孫、アルキメデス博士の発明になるクリク・ロボットをご覧ください。事件が起こるや、計算機としての能力を最大限に発揮し、正確無比な方程式を立て、代数学的に謎を解くのです。そ…

かけら  (ねこ3.8匹)

青山七恵著。新潮社。 父は、昔からちゃんと知っていたようにも、まったくの見知らぬ人であるようにも感じられた。第35回川端康成文学賞受賞。最年少で受賞した表題作を含む珠玉の短篇集。(紹介文引用) 初めて読む作家さん。著者紹介に筑波大学図書館情…

白ゆき姫殺人事件  (ねこ3.7匹)

湊かなえ著。集英社文庫。 化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上で…

ドライブ  (ねこ3匹)

黒田研二著。TO文庫。 何者かに拉致された犬塚拓磨はワゴン車の中で目を覚ます。車内には互いに見知らぬ5人。放置されたタブレット型PCのモニターでは、仮面をつけた謎の人物<夢鵺>が語り出す。解放される条件は定められたルートを走行し、制限時間内…

ライオンハート  (ねこ4匹)

恩田陸著。新潮文庫。 いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女…

雀蜂  (ねこ3.5匹)

貴志祐介著。角川ホラー文庫。 11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻…