すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

悪童日記/Le Grand Cahier  (ねこ4.4匹)

アゴタ・クリストフ著。早川書房。 戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に…

明日の空  (ねこ3.8匹)

貫井徳郎著。集英社。 10年ぶりの書き下ろし!ミステリ長編 日本で新たに高校生活を始めた帰国子女の栄美(エイミー)。淡いときめきも別れの痛みも、いつかは青春の思い出になるはずだった。だが後に知ったのは・・・貫井徳郎が青春小説に仕掛けた「驚き」とは…

ポトスライムの舟  (ねこ3.8匹)

津村記久子著。講談社。 お金がなくても、思いっきり無理をしなくても、夢は毎日育ててゆける。契約社員ナガセ29歳、彼女の目標は、自分の年収と同じ世界一周旅行の費用を貯めること、総額163万円。第140回芥川賞受賞作。 初読み、津村記久子さん。beckさん…

黄金を抱いて翔べ  (ねこ3匹)

高村薫著。新潮文庫。 銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ!大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀…

まだ人間じゃない/The Golden Man (ねこ4.2匹)

フィリップ・K・ディック著。ハヤカワ文庫。 12歳未満の子供は人間として認めず、許可なく屋外をうろつく子供をまるで野犬やのら猫のように狩りたてて殺してしまう、戦慄の世界を描いた表題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうける地球の…

黄昏という名の劇場  (ねこ3.8匹)

太田忠司著。講談社文庫。 夕暮れの薄闇が下りてくる黄昏の頃には、災いや魔物がこの世に現れるという。我がもの顔で町を荒らし回る残忍な悪党とその手下が出会った不思議な男(「雄牛の角亭の客」)。有名な探偵が乗った列車で起こる奇怪な密室殺人(「憂い…