すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

厭な小説  (ねこ3.8匹)

京極夏彦著。祥伝社。 「厭だ。厭だ。厭だ―」感情的パワハラを繰り返す馬鹿な上司に対する同期深谷の、呪詛のような繰り言にうんざりして帰宅した私を、マイホームの玄関で見知らぬ子供が迎えた。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味だ。なぜ…

秋の花  (ねこ4.4匹)

北村薫著。創元推理文庫。 絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子○生の墜落死―親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふた…

黒衣の女/The Woman in Black  (ねこ3.7匹)

スーザン・ヒル著。ハヤカワ文庫。 霧の中、沼地の方から馬車が来る。少し遠ざかったかと思うと、水が引き、吸いこまれ、渦まく奇妙な音、続いてうろたえた馬のいななき、そして子どもの泣きさけぶ声。―孤立した〈うなぎ沼の館〉で、亡くなった老夫人の遺産…

仄暗い水の底から  (ねこ2.8匹)

鈴木光司著。角川ホラー文庫。 巨大都市の欲望を呑みつくす圧倒的な「水たまり」東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する湾岸の「埋立地」。この不安定な領域に浮かんでは消えていく不可思議な出来事。実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んで…

ジャンピング・ジェニイ/Jumping Jenny  (ねこ4.4匹)

アントニイ・バークリー著。国書刊行会。『世界探偵小説全集 31』 小説家ロナルド・ストラットンの屋敷で開かれた“殺人者と犠牲者”パーティの席上、ヒステリックな言動で周囲の顰蹙をかっていた女性が、余興として建てられた絞首台の上で首吊り死体となっ…

異人たちの館  (ねこ3.8匹)

折原一著。講談社文庫。 富士の樹海で失踪した息子・小松原淳の伝記を書いて欲しい。売れない作家島崎に舞いこんだゴーストの仕事?。女依頼人の広大な館で、資料の山と格闘するうちに島崎の周囲で不穏な出来事が起こり始める。この一家には、まだまだ秘密が…

サキ短編集/A Collection of Short Stories  (ねこ3.7匹)

サキ著。新潮文庫。 ビルマで生れ、幼時に母と死別して故国イギリスの厳格な伯母の手で育てられたサキ。豊かな海外旅行の経験をもとにして、ユーモアとウィットの糖衣の下に、人の心を凍らせるような諷刺を隠した彼の作品は、ブラックユーモアと呼ぶにふさわ…

顔に降りかかる雨  (ねこ3.8匹)

桐野夏生著。講談社文庫。 親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、1億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事…

浪花少年探偵団  (ねこ3.6匹)

東野圭吾著。講談社文庫。 竹内しのぶ、25歳、独身、短大卒。大阪大路小学校六年五組担任の教師。ちょっと見は丸顔の美人だが、口も早いし手も早い。そのしのぶセンセのクラスの福島の父親が殺された。事件解決のためにしのぶセンセと教え子探偵団が大活躍…

トンコ  (ねこ3.5匹)

雀野日名子著。角川ホラー文庫。 高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける…。日本ホラー小説大…

雪下に咲いた日輪と  (ねこ3.7匹)

高里椎奈著。講談社文庫。 断崖絶壁に建つ曰くつきの洋館。少女・砂波の父が購入するという。あまりにも怪しげなため、探りに行った彼女を待っていたのは甲高い悲鳴と、長い髪を振り乱し海を歩く者。いったいこれは?依頼を受けた美形の妖探偵達が調査に出向…

ペール・ゴリオ -パリ物語/Le Pere Goriot  (ねこ4.6匹)

バルザック著。藤原書店。 パリのヴォケール館に下宿する法学生ラスティニャックは野心家の青年である。下宿にはゴリオ爺さんと呼ばれる元製麺業者とヴォートランと名乗る謎の中年男がいる。伯爵夫人を訪問したラスティニャックは、彼女が、ゴリオの娘だと知…

風に舞いあがるビニールシート  (ねこ4.3匹)

森絵都著。文春文庫。 才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に…

弁護側の証人  (ねこ4匹)

小泉喜美子著。集英社文庫。 ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。真犯人は誰なのか?弁護側が召喚し…

この世界、そして花火/This World, Then the Fireworks  (ねこ4匹)

ジム・トンプスン著。扶桑社ミステリー文庫。 マーティが帰ってきた。母と妹のもとへ。双子の兄妹であるマーティとキャロルには、幼い日の鮮烈な記憶があった。4歳の誕生日、父がショットガンで愛人の亭主の頭を吹き飛ばし、とばっちりで母も散弾を食らった…

少年少女飛行倶楽部  (ねこ4.4匹)

加納朋子著。文藝春秋。 中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かな…

萩原重化学工業連続殺人事件  (ねこ3.6匹)

浦賀和宏著。講談社ノベルス。 「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体…

すべ猫4周年ありがとう(*^^*)

どうもみなさんこんばんは。 さきほどログインしましたら、ゲスブにYさんから「4周年おめでとー」というメッセージが入っておりまして、大慌て^^;毎年恒例の二人の騒ぎです。。とほほ不甲斐ない。。 ちょうど本日は更新本が微妙な感じで、重化学工業を…

毒入りチョコレート事件/The Poisoned Chocolates Case  (ねこ3.6匹)

アントニイ・バークリー著。創元推理文庫。 ロジャー・シェリンガムを会長とする「犯罪研究会」にゲストとして招いたスコットランド・ヤードの首席警部が持ち込んだ難問題。ロンドンのクラブに送られてきた新製品のチョコレートにより、毒殺事件が発生する。…

トワイライト★ミュージアム  (ねこ3.8匹)

初野晴著。講談社ノベルス。 天涯孤独な少年・勇介は、急逝した大伯父・如月教授が遺してくれた博物館で秘密裏に行われているあるプロジェクトの存在を知る。それは―脳死患者と時間旅行を研究する極秘実験。過去を彷徨う魂を救うため、勇介は学芸員・枇杷と…

どんがらがん/Bumberboom  (ねこ3.7匹)

アヴラム・デイヴィッドスン著。河出書房新社奇想コレクション。 空前絶後の輝かしい受賞歴をもち、キプリングやサキ、G・K・チェスタトンに比肩すると評されるアヴラム・デイヴィッドスン。この才気と博覧強記の異色作家が遺した短篇を、日本の誇る才気と…

十三回忌  (ねこ3.7匹)

小島正樹著。原書房ミステリーリーグ。 ある素封家一族の、当主の妻が不審死を遂げたが、警察はこれを自殺として捜査を打ち切ってしまう。それが始まりだった。当主の妻の一周忌には「円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった少女」、三回忌には「木に括…

密室の如き籠るもの  (ねこ3匹)

三津田信三著。講談社ノベルス。 すべての謎は刀城言耶(とうじょうげんや)が解く!猪丸(いまり)家に突然、謎の女が現れる。その名は、葦子(よしこ)。狐狗狸(こっくり)さんのお告げを伝える彼女が後妻に来てから、何かがおかしい……。そんなある日、屋…

ファミリーポートレイト  (ねこ3.8匹)

桜庭一樹著。講談社。 あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。『赤朽葉家の伝説』『私の男』―集大成となる家族の肖像。 (紹介文より) なかなか感想が難しい本だな。 桜庭さんの最…