すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくらはみんな閉じている  (ねこ3.8匹)

小川勝己著。新潮社。 笑顔が見たかっただけなんだーー。ただ、一緒にいたかったのーー。きっかけは些細なことだった。 自分だけは堕ちるはずがないと思っていた。しかし、いつしか夢想は妄想へと変貌し、熱烈な愛情は 純粋な狂気に姿を変えた。欲望という脳…

人形(ギニョル)  (ねこ3匹)

佐藤ラギ著。新潮社。 謎の男娼、その名は「ギニョル」。純白の肌に口を開けた真紅の傷跡が、平凡な中年男だったはずの 「私」の中の何かを壊した。甘美な嗜虐と官能の日々。しかし、「邪悪ナル世界」に本当に監禁 されたのは、実は私だった……。第3回ホラー…

~オールタイムベストグランドフィナーレ~

1月からスタートし、好評のうちに先日終了いたしましたゆきあやオールタイムベスト。 まさかこんなに月日がかかるとは本人も思っておりませんで^^;皆さん、長らくお付き合いいただき ありがとうございました。 思えば、この焦らし焦らしで発表して来たや…

飛鳥のガラスの靴  (ねこ3.6匹)

島田荘司著。光文社文庫。 映画俳優の大和田剛太の自宅に、差出人不明の郵便小包が届いた。なかから、塩漬けにされた剛太の 右手首が…!剛太自身は行方不明のまま、事件は迷宮入りの様相を呈した。警視庁捜査一課の吉敷 竹史は、この管轄違いの事件に興味を…

第1位 『孤島の鬼』 著/江戸川乱歩

神よ。乱歩よ。貴方の織り成す世界はどうしてこうも怪しく現代でも煌めいているのか。 おいらが乱歩に傾倒しているのは皆様ご存知だと思いますが、なかなか記事にする機会もなく、 3年の月日が流れてしまいました。他にも書きたくてしょうがない乱歩記事が…

猫舌男爵  (ねこ4.7匹)

皆川博子著。講談社。 5編収録の幻想小説短編集。 凄いな皆川さん。日本人にこんな力量のある作家さんがいていいのか。。一言メッセージについ 書いてしまったように、本当にコレを読んだ後、いつものように「さて、次」と他の本を読み始める 気にはどうし…

バカミスじゃない!? -史上空前のバカミス・アンソロジー-

小山正:編。宝島社。 『このミステリーがすごい!』の人気コーナーから、歴史的アンソロジー誕生! 霞流一、鯨統一郎、鳥飼否宇ら、『このミス』常連組の最新作。ミステリー界の重鎮、辻真先の 奇想天外な怪作。山口雅也が独自の感性を爆発させた異色ハード…

あなたまにあ  (ねこ4匹)

小川勝己著。実業之日本社。 背徳・妄執・恐怖が渦を巻く異空間の彼方に置き去りにされたあなた…あなた。あなた!愉悦に まみれたあなたの狂気は、どこへたどりつくのか。異能作家・小川勝己があなたに捧げる傑作怪奇 小説集。(あらすじ引用) きっつぅ・・…

ら抜き言葉殺人事件  (ねこ3.5匹)

島田荘司著。光文社文庫。 ピアノと日本語を教えている笹森恭子が、自宅のベランダで首吊り自殺をした。部屋には、ある作家に 誤りを指摘した手紙に対する返信が残されていた。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、現場に不審を抱き、 殺人説を唱える。そんな時、ま…

第2位 『Yの悲劇』 著/エラリー・クイーン

ああ、あと1冊で終わりなのね。(;;) というわけで、しつこくエラリー・クイーンの登場です。『シャム双生児~』で軽く伏線を出していた つもりなんですが、余計な事をしてしまい多くの方にバレてしまってましたね^^; まあ、おいらがこの作品を挙げな…

聖女の島  (ねこ5匹)

皆川博子著。講談社文庫。 砲弾に砕かれて坐礁し、そのまま化石となった巨大な軍艦のように見える孤島に、修道会のつくった 矯正施設がある。売春、盗み、恐喝等の非行を重ね、幼くして性の悦楽を知った放恣な少女たちが、 惨劇の幻影におびえる聖女の下に集…

モンスターズ  (ねこ3.7匹)

山口雅也著。講談社。 誰のなかにも潜んでいるモンスター、それに乗っ取られた時に始まるミステリー。深く、濃く、そして ゆっくりと謎は深まる…『ミステリーズ』『マニアックス』に続くシリーズ第3弾。 読んだよー(^^)v 『ミステリーズ』『マニアック…

炎都  (ねこ3.6匹)

柴田よしき著。徳間文庫。 木梨香流は京都の地質調査会社の技師。地下水の水位の急激な低下が、異変の発端だった。京都府警 捜査一課の村雨祐馬は、京都御苑で発見された変死体に驚愕していた。四時間前まで生きていた男が、 全身の体液を抜き取られ、カラカ…

踊る手なが猿  (ねこ3.8匹)

島田荘司著。光文社文庫。 新宿西口地下街にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。向かいの喫茶店で働く純子は、 この猿に結ばれている赤いリボンが、時によって位置を移動するのが気掛かりだった。(「踊る手なが 猿」)都立高の敷地から江戸時…

超人計画  (ねこ3.7匹)

滝本竜彦著。角川文庫。 新人作家は悩んでいた。厳しすぎる現実を前に立ちすくみ、ダメ人間ロードを一直線に突っ走る自分は このままでよいのだろうか?……いや、よくない!!虚無感とルサンチマンに支配された己を変える には、そうだ!”超人”になるしかない…

第3位 『そして誰もいなくなった』 著/アガサ・クリスティ

いよいよベスト3突入です!^^vどうです、第3位にミステリの女王の代表作。かっこいいなあ。 『十角館の殺人』記事で「1位かと思っていた」とコメントいただいた皆さん、さすがに納得して いただけるかな?おいらがミステリで一番再読回数が多いであろ…

羽衣伝説の記憶  (ねこ3.6匹)

島田荘司著。光文社文庫。 警視庁捜査一課の吉敷竹史刑事は、ふと足を止めた銀座の画廊で、作者名のない”羽衣伝説”と 題された彫金を目にした。これは、別れた妻・通子の作品では!?彼女への思いをかきたてられた 吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪…

密室は眠れないパズル  (ねこ3.6匹)

氷川透著。原書房。 エレベーターの前で胸を刺された男は「常務に、いきなり刺された」と、犯人を名指しして絶命した。 ”殺人犯”は、エレベーターで無人の最上階へ向かうところを目撃される。電話は不通、扉も開かない。 ビル内には犯人を含めて九人だけ。犯…

幽体離脱殺人事件  (ねこ3.6匹)

島田荘司著。光文社文庫。 警視庁捜査一課・吉敷竹史の許に、一枚の異様な現場写真が届いた。それは、三重県の観光名所・ 二見浦の夫婦岩で、二つの岩を結ぶ注連縄に、首吊り状態でぶら下がった中年男の死体が写っていた。 しかも、死体の所持品の中から、吉…

第4位 『人形はなぜ殺される』 著/高木彬光

もう4位か。我ながら凄い作品を持って来たのに、4位ってなんか中途半端感がありますね^^; 本作は、国内ミステリーベスト1、2を争うと評判の作品で、さすがに今度こそはこの4位に異論は なかろうと思われます^^ まあ、とは言ってもわたくし、高木さ…

Miss You  (ねこ3.7匹)

柴田よしき著。文春文庫。 有美は26歳、文芸編集者。業界ではかけだしながら生真面目さと熱意で仕事は軌道にのりつつある。 しかし同僚の女性が殺され、元流行作家の妙な電話を受けてから有美自身も狙われはじめた。事故か。 人ちがいなのか。婚約者、新人…

遠まわりする雛  (ねこ3.7匹)

米澤穂信著。角川書店。 神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作った チョコの消失事件ーー”省エネ少年”折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後 から春休みまで、古典部を過ぎゆく…

夜は千の鈴を鳴らす  (ねこ3.6匹)

島田荘司著。光文社文庫。 JR博多駅に到着した寝台特急<あさかぜ1号>の二人用個室から、女性の死体が発見された。彼女は 鬼島総業の女社長・鬼島政子で、検死の結果、死因は心不全と判明。だが、前夜、政子が半狂乱に なり口走った「列車を停めて、人が…

ラスト・レース -1986冬物語- (ねこ3.5匹)

柴田よしき著。文春文庫。 社内恋愛に破れ憂鬱な毎日を送る秋穂は、宝石店に忘れられた指輪を持ち帰った夜、レイプされて しまう。翌日近くのマンションでOLが殺された。自分は人違いで襲われたのでは?悩む秋穂の前に 現れたレイプ犯の二人は、誰かに嵌めら…

第5位 『シャム双生児の秘密』 著/エラリー・クイーン

だって好きなんだもん。 この企画もようやく山場にさしかかって参りました。実は、この第5位が今までで一番緊張して います。 自分でも凄く楽しみにしていた記事の一つでありますが、企画開始当初はここまで皆さんに盛り上げて もらえるとは想像していなか…