すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

さあ、気ちがいになりなさい/Come and Go Mad (ねこ3.6匹)

フレドリック・ブラウン著。星新一訳。早川書房『異色作家短編集2』。 12編収録のフレドリック・ブラウン奇想ワールドです。 書庫迷ったんですが、ここでいいのかな。(この叢書全部書庫統一したかったんですが) フレドリック・ブラウンを読むのは、先日…

雪のマズルカ  (ねこ3.8匹)

芦原すなお著。創元推理文庫。 私立探偵だった夫が事故で死んで二年、手元に残ったのは調査資料とリボルバー、そして滞納した 事務所の家賃だった。失意の底から立ち直った笹野里子は、探偵事務所を再開するーー。実業家の 娘をめぐる陰謀、不思議な行動をと…

向う端にすわった男  (ねこ3.7匹)

東直己著。ハヤカワ文庫。 ある夜<俺>のところに、結婚詐欺にまつわる依頼が舞い込んだ。詐欺を仕組んだのは、元一流 商社マンの伊野田という男だという。さっそく<俺>は、札幌にメディア革命を起こそうと息巻く この男の企画会社にもぐり込んだのだが………

カンニング少女  (ねこ3.8匹)

黒田研二著。文藝春秋。 都立K高校3年4組、天童玲美。入試を4ヶ月後に控えた10月、彼女はなんとしてでも最難関 私大・馳田学院に合格しなくてはならなくなった。不慮の事故で亡くなった姉、芙美子の死の 真相を探るためだ。玲美が頼ったのは、クラスメ…

はじまりの島  (ねこ4.4匹)

柳広司著。創元推理文庫。 1835年9月、英国海軍船ビーグル号は本国への帰途ガラパゴス諸島に立ち寄った。真水の調達に向かう船と一時 離れ、島に上陸したのは艦長を含む11名。翌日、宣教師の絞殺死体が発見された。犯人は捕鯨船の船長を惨殺し 逃亡し…

ぼくと、ぼくらの夏 (ねこ4.3匹)

樋口有介著。文春文庫。 高校二年の夏休み、同級生の女の子が死んだ。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子と 調べに乗り出したが……。第6回サントリーミステリー大賞読者賞受賞のデビュー作。 おっとっと。『枯葉色グッドバイ』で「樋口さんにこれ以…

雷の季節の終わりに (ねこ3.9匹)

恒川光太郎著。角川書店。 現世から隠れて存在する小さな町・隠で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉が いた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は 「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる…

乱れからくり (ねこ4.7匹)

泡坂妻夫著。創元推理文庫。 玩具会社の部長馬割朋浩は降ってきた隕石に当たり命を落としてしまう。その葬儀も終わらぬうちに 彼の幼児が誤って睡眠薬を飲んで死亡する。さらに死に神に魅入られたように馬割家の人々に 連続する不可解な死。一族の秘められた…

痙攣的 -モンド氏の逆説- (ねこ4.4匹)

鳥飼否宇著。光文社文庫。 ロックバンド「鉄拳」が神話的存在になったのは、あまりにも衝撃的なデビュー公演のためだった。 密室状態のライブハウス。演奏中、メンバー全員が突如姿を消し、ステージ上にはプロデューサーの 死体が。メンバーの消失方法と、そ…

街の灯 (ねこ4.6匹)

北村薫著。文春文庫。 昭和7年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレー の「虚栄の市」のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く 「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗…

赤い夢の迷宮 (ねこ4.2匹)

勇嶺薫(はやみねかおる)著。講談社ノベルス。 小学生だったあの頃、仲良し7人組のぼくらは「世の中には、やっていいことと、やっておもしろい ことがある」と語る不思議な男・OGに心惹かれていた。だが「お化け屋敷」と呼ばれる彼の館で 起きたある事件…

六とん3 (ねこ3.8匹)

蘇部健一著。講談社ノベルス。 説明不要、売り切れ続出、メフィスト賞(笑)、トホミス(トホホなミステリのことらしい)の 頂点、下品とユーモアとおバカとセンチメンタル満載の「六とん」、遂に待望の第三弾が出ました。 実際の本家本元である「六枚のとん…

酸素は鏡に映らない (ねこ3.2匹)

上遠野浩平著。講談社ミステリーランド。 平凡な少年が、ある日公園で出逢った謎の男オキシジェンと、ヒーローくずれの役者。 少年と、その姉は彼らに巻き込まれ”ゴーシュ”の秘宝を探し求める。やがて潜入した 骨董品フェスティバル、その会場に強盗が現れた…

13のショック/Shock! (ねこ3.6匹)

リチャード・マシスン著。早川書房。 「異色作家短編集」(全20巻)、これはNo.4。50~60年代の作家を中心に、長らく 絶版だったこの叢書が復刊されました。隔月で2冊ずつの刊行という事ですが、もう全部 出てるかな?というか、全部受け売りなん…

完全犯罪に猫は何匹必要か? (ねこ3.9匹) +『猫バトン』

※紅子さんより回していただいた『猫バトン』と、いつもの読書感想とのコラボレーション記事です。 ルール。 ☆これが回ってきたら 次に書く日記の語尾全てに にゃ にゃん にゃー をつけなくてはならない。 ☆『な』『ぬ』は『にゃ』『にゅ』にすること。 ☆一人…

マリオネットの罠 (ねこ3.8匹)

赤川次郎著。文春文庫。 K大学仏文科の研究生・修一は、師である浅倉教授の薦めで住み込みで家庭教師のアルバイトを する事になった。期間は3ヶ月、姉妹二人にフランス語を教えて報酬は100万円。食事付き。 あまりのうまい話に飛びついた修一だが、姉妹…

冬のオペラ (ねこ3.8匹)

北村薫著。角川文庫。 勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ ガーデンのボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、新聞配達をしていた。名探偵と いえども、事件がないときには働かなければ、食…

リセット (ねこ3匹)

北村薫著。新潮文庫。 「ーーーまた、会えたね」。昭和20年5月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は 黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。6年半前、あの人が選んだ言葉で 通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。…

ターン (ねこ4.5匹)

北村薫著。新潮文庫。 真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから 目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人の ほか誰もいなかった。そしてどんな一日を…

1000の小説とバックベアード (ねこ2匹)

佐藤友哉著。新潮社。 僕は「片説家」。「小説家」と違って、純粋に「特定の個人に向けて物語を書く」仕事だ。そこに あるのは、創作とはいえないリクエストとマーケティングだけ。いや、正確には「片説家」だった。 四年間この仕事をしてきたが、今さっき解…

警察署長・絵馬殺人 (ねこ3匹)

石井竜生・井原まなみ著。光文社ノベルス。 ”辻斬り”ならぬ”辻蹴り”とでもいうべき傷害事件が、横須賀の町で頻々と発生。蹴り倒された 男たちの傍らには、必ず奈良・飛鳥宮の絵馬が……。同じころ、横須賀中央署へ、古美術商”藤橘” の女社長・安達夕子が、森谷…

赤朽葉家の伝説 (ねこ4.1匹)

桜庭一樹著。東京創元社。 ”辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した 旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の”千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、 わたしの祖母である赤朽葉万葉だーーー千里眼…