すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

九十九十九 (ねこ3.9匹)

舞城王太郎著。講談社文庫。 生まれた時からその奇跡的な美貌で次々と人を失神させる九十九十九。両親に生後すぐ 殺されかけ(美貌ゆえに)、看護士の鈴木君に連れ去られてしまったがその鈴木君に 虐待を受け、鈴木君は刑務所行き。九十九は加藤家の養子とな…

11の物語/Eleven (ねこ4.1匹)

パトリシア・ハイスミス著。ハヤカワ文庫。 たまたま台所にあったボウルに入っていた食用かたつむりを目にしたのがきっかけだった。 彼らの優雅かつなまめかしい振る舞いに魅せられたノッパート氏は、書斎でかたつむり飼育に励む。 妻や友人たちの不評をよそ…

ボートの三人男 -犬は勘定に入れません- /Three Men in a Boat (ねこ4.2匹)

ジェローム・K・ジェローム著。中公文庫。 1980年代のロンドン。ジョージ・ハリス・J(ぼく=作者?)の三人は、お互いの健康状態の 悪化を気にして休息と気分転換の河遊びを計画した。犬のモンモランシー(フォックステリア)も お供に連れて(勘定に…

緑陰の雨 灼けた月 (ねこ3.2匹)

高里椎奈著。講談社文庫。 「灰色の木を金色に戻す薬を下さい」不思議な合言葉を告げるとトラブル相談所に早変わりする 深山木薬店を女子高生エリカが訪れる。寝ている布団が突然泥だらけになる、ぬいぐるみがカッター ナイフで襲ってくる、自宅で続く怪奇現…

月長石/The Moonstone (ねこ3.6匹)

ウィルキー・コリンズ著。創元推理文庫。 インド寺院の秘宝、黄色のダイヤといわれる月長石は、数奇な運命の果て、イギリスに渡ってきた。 しかし、その行くところ常に不気味なインド人の影がつきまとっている。そしてある晩、秘宝は 持ち主ヴェリンダー家か…

再びゆきあやが綴る万人向けホラー・~ゲームボードその2~

ミステリゲームですっかり収拾がつかなくなり、挙句の果てにおかしな進路連発したまま放置、 それでも懲りずに第2弾作ってみました。ホラーは皆さんあまり興味がないかもしれませんが、 世間の「ホラーといえばグロ」という偏見を取り去り、新しい文学の世…

亡霊は夜歩く (ねこ3.6匹)

はやみねかおる著。講談社文庫。 <名探偵夢水清志郎事件ノート>シリーズ第2弾。 亜衣たち三つ子の通う虹北学園には、不気味な伝説がある。『時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ』。 学園祭を前にして突然鳴りだした鐘。亜衣は「亡霊(ゴースト)」と名乗る者か…

切れない糸 (ねこ4.2匹)

坂木司著。東京創元社。 新井和也の家は商店街によくある普通のクリーニング屋。その「アライクリーニング店」では 父親と母親、アイロン職人のシゲさん、パートの松竹梅トリオで店を盛り立てている。だが、 就職活動が困難を極める時期に和也の父親が突然死…

骸の爪 (ねこ3.7匹)

道尾秀介著。幻冬舎。 滋賀県山中にある仏所・瑞祥房に取材で訪れた道尾は、泊まった宿坊で奇妙な体験をする。千手観音が 笑い、仏像が頭から血を流したのだ。数日後、1人の仏師が神隠しのごとく失踪。道尾は 真備と凛に相談を持ちかけ、二人を連れて瑞祥房…

炎の眠り/Sleeping in Flame (ねこ4.9匹)

ジョナサン・キャロル著。創元推理文庫。 ぼくは呆然としていた。目の前に、三十年前に死んだ男の墓がある。そこに彫られた男の肖像が、 ぼくだったのだ。そのとき、見知らぬ老婆が声をかけてきた。「ここにたどりつくまで、ずいぶん 長いことかかったね!」…

厭魅の如き憑くもの (ねこ4.1匹)

三津田信三著。原書房ミステリーリーグ。 憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て 憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を 侵し恐怖の体験をした…

ゲッベルスの贈り物 (ねこ4.1匹)

藤岡真著。創元推理文庫。 謎のアイドル<ドミノ>を捜して、狂躁の夏に翻弄される羽目に陥ったプロデューサーの「おれ」。 人気俳優や国際的数学者など、著名人を次々手にかけてゆく殺し屋の「わたし」。五里霧中の展開の 果てに「おれ」と「わたし」が出会…

独白するユニバーサル横メルカトル (ねこ4.3匹)

平山夢明著。光文社。 今話題沸騰。『生理的嫌悪感を書かせたら日本一』『怪奇実話のスーパースター』、平山氏の 初短編集。第59回日本推理作家協会賞受賞作。2007年『このミステリーがすごい!』 第1位作品。 ああ、これ、くだんの『メルキオールの…

ゆきあやが綴る本格ミステリ初心者用ガイド・ゲームボード方式

いつも『癒しのミステリ空間』を演出なさっている しろねこさん(http://blogs.yahoo.co.jp/one_zero99)が凄い企画を立ち上げあそばされた。 私が入らずに誰が入るか!! 『本楽大学ミステリ学部』創設!ひゃっほ~う。 早速ノリノリで願書を提出し見事合格…

落下する緑 <永見緋太郎の事件簿> (ねこ4.3匹)

田中啓文著。東京創元社。 テナーサックス奏者の永見緋太郎に目をかけているのは、彼とは10も年の離れたトランペット奏者の 唐島。ジャズクラブ、絵画展、行く所行く所で事件に遭遇してしまう唐島だが、全て持ち前の 独特の洞察力で謎を解明してしまう永見…

インディゴの夜 (ねこ3.4匹)

加藤実秋著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 『クラブのような』ハコで、DJやダンサー『みたいな』男の子が接客をしてくれると いう一風変わったホストクラブ。女性ライター高原晶の提案にノったのは彼女の知人で謎めいた美形・ 憂夜。彼の協力で、渋…

魔王城殺人事件 (ねこ2.7匹)

歌野晶午著。講談社ミステリーランド。 小学5年生の佐藤翔太は、クラスの仲間と共に探偵クラブ『51分署捜査1課』を結成。 今度の捜査は今までになく大がかりだ。町のはずれにある不気味な『デオドロス城』に潜入し、 怪しげな噂を確かめようというのだ。…

お人形と結婚した男/J'ai Epouse une Poupee Gonflable (ねこ3.8匹!)

ルイ=トマ・ペルティエ著。扶桑社。 大手保険会社に勤める26歳のフランシス。消費者からのクレーム処理の一環でポルノショップを 訪れた彼は、<ペニス引き伸ばし器>なるものを購入するはめに。ほうほうの体で店を去りかけた フランシスだが、プラスティ…

虹果て村の秘密 (ねこ3.8匹)

有栖川有栖著。講談社ミステリーランド。 「推理作家にどうしてもなりたい12歳」秀介は、「刑事になりたくてしょうがない12歳」優希に 招待されて彼女の出身地・虹果て村へやって来た。虹果て村の虹のふもとには財宝が眠っているという。 そんな神秘的で…

ゆきあや図書館へゆくの巻

こんなに更新して暇なのかゆきあやよ。はい、外は暴風、洗濯物が空を舞う。(取り込めよ) 唐突ですが、わたくしのブログは本ばっかりです。本だらけです。本のみです。という事で、 自然お仲間も本が大好き!な方が100%占めておられるのですが。う~ん…

雨の午後の降霊会/Seance on a Wet Afternoon (ねこ3.7匹)

マーク・マクシェーン著。創元推理文庫。 霊媒マイラが立てた計画は奇妙なものだった。子どもを誘拐し、自らの霊視で発見に導けば、評判が 評判を呼び、彼女は一流と認められるはずだ。そして、夫ビルと共謀し実業家クレイトンの娘を誘拐。 夫には身代金を要…

風の万里 黎明の空 (ねこ4.4匹)

小野不由美著。講談社文庫。 芳国・公主であった祥瓊は民にとって非道の王であった父と母を恵州候月渓に惨殺され、祥瓊も 座を奪われ蓬山の農村へ追いやられた。自らを憎み、父の子という事で苛められる日々さえも 憎んだ。一方、蓬莱から海客として才国に流…

破線のマリス (ねこ3.6匹)

野沢尚著。講談社文庫。第43回江戸川乱歩賞受賞作。 首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを 駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!? 事故か、他…

超・殺人事件 <推理作家の苦悩> (ねこ3.7匹)

東野圭吾著。新潮文庫。 推理小説作家の裏側と苦悩をブラックユーモアで利かせた作家だらけの短編集、です。 (超税金対策殺人事件) ほとんどギャグで占められており(^^;)。税金対策も大変だねえ、と哀れになりつつも いくらなんでもスーパーのレシー…

陰摩羅鬼の瑕 (ねこ3.9匹)

京極夏彦著。講談社文庫。 白樺湖にある謎の洋館『鳥の城』では伯爵の五度目の祝儀が開かれようとしていた。新婦の ボディーガードとして雇われた榎木津は盲目となっており、関口巽が同行した。怪しげな 一族と不気味な鳥の剥製に囲まれ関口の精神はダメージ…